函館の正月に欠かせない繭玉飾り、口取り、くじら汁、八幡宮とは?
2020/12/02
北海道の函館は、東北地方や内地から移ってきた方が多いためか、いろんな文化が融合している部分もあると言われます。
そして、いろんな風習がごちゃ混ぜになっているところもあるような気もしますが、そこがまたいいところです。
ここでは、函館の正月には、欠かせないものをご紹介しましょう。
家の中に飾る「繭玉飾り」、鮮やかな色の練りきり菓子の「口取り」、正月料理の定番「くじら汁」、初詣の定番「函館八幡宮」等があります。
今では、一般の家庭では見られなくなりつつあるものもありますが、こんな伝統は親から子へ伝承していってもらいたいものですね。
函館の正月の繭玉飾りとは?
クリスマスが過ぎると、スーパーには「繭玉(まゆだま、まいだま)飾り」の枝が売られるようになります。
柳の枝などに繭玉を模した紅白の玉がついているものです。
この枝に、小判、宝船、サイコロ、大福帳などを賑やかに吊り下げて、天井や壁に飾ります。
もともと、この繭玉は、東北から関東や中部地方などの養蚕地帯でよく作られていたもので、蚕の成長や農作物の豊作を祈るためのものらしいです。
それが、東北から函館に渡ってきたのでしょうか。
小さい頃は、クリスマスツリーも本物の木を買ってきて飾るのも楽しかったけれど、この繭玉を飾るのも楽しかった思い出がありますね。
ただ、今ではあまり見かけなくなりました。
私の函館の実家でも、子どもが小さい頃は繭玉飾りをしていましたが、いつのまにかやらなくなりました。
このような文化があることを後世に伝えるのも親の努めと思いますね。
函館のおせち料理に欠かせない口取りとは?
全国的には、「口取り」といえば、日本料理の一つで羊かんや寒天などの甘みの類を表しますが、北海道ではちょっと違います。
クリスマスが過ぎると、スーパーでもこんな風に売っているもので、基本的には鯛や海老の練りきり菓子です。
白餡の練りきりに綺麗な色付をして、見た目にとても綺麗でしょう。
最近では、干支を表したものやいろんなものがあって楽しいですよ。
値段は、1個100円くらいから1,000円くらいのセットまで、いろいろな種類が売っています。
口取りは、食べて楽しむというよりも、見て楽しむ感じのお菓子という印象ですね。
少なくとも私が小さいときでも、美味しいという思い出はあまりないですね。とにかく甘い印象でした。
ただ、正月には必ずあったものの一つでしたね。
まあ、おせちの合間に口直しとして食べることが多かったのだと思います。
函館の正月料理に欠かせない「くじら汁」や「ごっこ汁」とは?
「くじら汁」は、小さい頃から毎年年末に作って、正月の間中ずっと、汁物は「くじら汁」でした。
小さい時には、それほど美味しいと思ったことはなかったのですが、大人になってからは、その旨味に魅せられてしまいました。
くじらの皮と脂の部分を塩漬けにした塩鯨を主な材料として使います。
いわゆる赤身の部分は使わないのです。
この脂から、いい旨味の出汁がでるんですよね。なんとも言えない、世界に一つの味ですね。
年末に大きな鍋に大量に作って、外の物置やベランダに出して、凍らしておいて、食べるときだけ小さな鍋に食べる分だけ取り出して温めて食べるようなものでした。
東京で「くじら汁」を作りたくなったら、以下を参考にどうぞ。
「函館の正月料理では欠かせないくじら汁を東京で作る方法とは?」
そう言えば、昔、餅もそうでしたね。
板状の「のし餅」を買ってきて、それを一口大に切ってから、バケツのような容器にいれて、そのまま外の物置に出していたものです。
コチンコチンになった餅を毎朝取り出して食べたものでした。
今でも、のし餅は、ネットで買えるんですね。
ただ、もう、一般的な風景ではなくなりました。
スーパーにいけば、必要な量だけ「切り餅」を買える時代ですから、外の物置に保存する必要がなくなったんですね。
思えば随分昔とは変わったものです。
函館には、くじら汁以外に「ごっこ汁」というものがあります。
こちらは、函館東部の旧戸井町・旧恵山町・旧椴法華村の漁師の料理のようですが、実は私もよく知りません。
というのも、私は函館で育ちましたが、「ごっこ汁」という名前も知らなかったですし、食べたことも無かったのです。
「ごっこ」は通称名で、一般的には「ほていうお(布袋魚)」と呼ばれるものです。
布袋様(七福神のひとり)のお腹のように丸まるとした形が特徴で、真っ黒な塊でぷよぷよしている。
スーパーでも普通に売っていますが、ぐにゃぐにゃしていて、なんとなくちょっとグロテスクです。
イメージ的には、あんこうのような感じで、深い海にいる魚ですが、厳冬期になると産卵のために沿岸にやってくるため、卵をいっぱい抱えた12月頃がが旬となるわけです。
恵山では「恵山ごっこまつり」というものもあり、「ごっこ」で町おこしをしています。
私の実家では、ごっこ汁は作ったことも食べたことも無かったので、初めて食べたのは、就職して東京のほうに出てきてから、帰省したときに、たまたま回転寿司の「函太郎」で見かけた時でした。
あの時、初めて食べたのですが、美味しかった思い出があります。
くじら汁とは全く違った、あっさり系の味ですね。
親も「ごっこ汁」の作り方はもちろん、買ったこともないし、捌き方も知らないと言っていましたから、「ゴッコ汁」は限定されたエリアで主に食べられているものだったのでしょうね。
函館の初詣といえば、函館八幡宮できまり!
函館にも当然ながらいくつも神社があります。
湯川には「湯倉神社」がありますし、函館山の山麓には、縁結びで有名な「護国神社」もあります。
でも、やっぱり函館で初詣といえば、「函館八幡宮」が定番ですね。
正月の元旦には結構込み合いますが、それでも東京の混み具合と比べれば混んでいるとは言えない程です。
2日からはもう相当空きますから、気軽に行けます。
若い方や健康な方は、正面の鳥居をくぐって、階段を登って本堂にいくのが正統派ですが、お年寄りを連れて行くような場合には、本堂近くの駐車場に行くことも可能です。
流石に元旦には駐車場前は渋滞しますが、まあ、東京の渋滞に慣れている人にとっては、こちらも些細な渋滞ですね。
せいぜい100m~200m程度ですからね。
また、駐車場が一般になると、手前の道路にも斜めに駐車するように誘導されることもあります。
なお、駐車場の近くには、甘酒や焼肉やクレープの屋台が数件出ています。
私の定番は、やっぱり甘酒ですね。寒いところでの甘酒は最高です。
まとめ
●函館の正月といえば、「繭玉飾り」を家に飾り、おせちには色鮮やかな「口取り」を添えて、「くじら汁」や「ごっこ汁」を食べるのが伝統的なお正月です。ただ、スーパーで売っているのをみると、現在でも少なからずこんなことをしているご家庭はいるようです。
●「繭玉飾り」や「口取り」や「くじら汁」や「ごっこ汁」の伝統は親から子へ伝承したい函館の文化ですね。
●函館の初詣といえば、やっぱり函館八幡宮。 本堂近くの駐車場もあるので覚えておくと便利ですよ。