七夕の織姫と彦星の伝説と夏の大三角と短冊との関係は?
2018/05/02
七夕といえば織姫と彦星の伝説がありますが、そもそもどんなお話か覚えていますか?
ここでは、子供に説明できるように、簡単に七夕伝説を振り返って見ましょう。
また、七夕とは切り離せない「夏の大三角形」や笹に願いをかけた「短冊」をつける習慣と七夕伝説との関係をご紹介します。
七夕の織姫と彦星の伝説とは?
七夕の伝説のお話は地方によって微妙に異なるようです。
ここでは、現在、一般的と言われる織姫と彦星の伝説をご紹介しましょう。
【七夕伝説】
大昔、天帝という神様が星空を支配していました。
天帝には娘の織姫がいて、天の川の西の岸に、住んでいました。
織姫は機織り(はたおり)がとても上手で、見た目も美しく、丈夫で着心地も素晴らしいものでした。
一方、天の川の東の岸には、牛飼いの青年、彦星が住んでいました。
彦星は、毎日、牛の面倒をよく見る働き者の青年でした。
天帝は、年頃なのに、働いてばかりいる織姫を心配して、娘の結婚相手をさがすことにしました。
そこで、天帝は、彦星をみつけると、2人を引き合わせて結構させました。
夫婦となった織姫と彦星はとても仲の良い夫婦でした。
ところが、一緒に暮らすようになると、2人は朝から晩まで天の川のほとりでおしゃべりばかりをして仕事を全くしなくなってしまいました。
天帝は何度も仕事をするように叱りましたが、2人は全く言うことを聞きません。
とうとう怒った天帝は、2人を引き離しましたが、2人は嘆き悲しみ全く仕事をしません。
そこで、天帝はまじめに仕事をするのなら、1年に1度、7月7日の夜だけ、天の川を渡って、会うことを許しました。
天の川には、かささぎが寄ってきて、橋を作ってくれるので、天の川の上で2人は会うことができるようになりました。
それから、2人はこの日を楽しみにして、以前のように、まじめに仕事をするようになりました。
(完)
そうですよね、たしかに、こんな話でした。
私の記憶では、昔は、かささぎは登場しなかったような気もしますが、これは地方によって違うのかもしれませんね。
また、年に1度しか会えないので、晴れるように祈っていた様な思い出もありますが、かささぎがいれば、雨が降って天の川が増水しても大丈夫ですね。
遠距離恋愛の事始めのような感じですね。
この七夕の伝説は、中国と日本で行われていた伝統的な風習の数々が重なり、それが一つになって江戸時代の頃に、やっと今の形になったようです
その元となった風習に関しては、中国も日本も歴史が長いので色々な説があります。
中国で技巧や芸能の上達を願って行われた「乞巧奠(きこうでん、きっこうでん)」という風習が元になっていると言われたり、
中国で農作の時期を知るため行われていた天体観測で生まれた有名な「星伝説」が元になっていると言われたり、
昔の日本で神様に布を捧げる女性を信仰していた「棚機(たなばた)」と呼ばれる風習が元になっていると言われたりしています。
これらが融合して今の形になったようですね。
七夕が、一般大衆に広がった江戸時代以降では、やり方が簡単になって竹を飾って、そこに願い事を書いた短冊を吊るすだけになりました。
また、「七夕」は恋人同士である「織姫」と「彦星」が年に一度だけ会えるというロマンチックな話なので、「恋人達の日」とか「遠距離恋愛の日」としてもよさそうな気もしますね。
さて、これは大昔の伝説ですが、いまでも星空には七夕伝説の星たちを見ることができますよ。
実際に、この目で見てみませんか?
七夕の伝説と夏の大三角形の関係は?
七夕の織姫と彦星の伝説は、実際の夜空ではっきりと見ることができます。
そうです、それが夏の星座として有名な「夏の大三角形」ですね。
正確には星座ではありませんが、まあ星座のようなものです。
織姫は、こと座のベガで、0等級なので一番明るい星です。
彦星は、わし座のアルタイルで、0.8等級なので、二番目に明るい星です。
かささぎは、はくちょう座のデネブで、1.3等級なので、三番目となります。
この夏の大三角形は、その名の通り夏の夜空の中で特に目立って明るいので、簡単に見つけられると思いますよ。
もしiPhoneなら、スカイガイドと言うアプリで探すとわかりやすいでしょう。
7月の10時頃、8月なら9時頃、頭の真上を見上げると見えますよ。
明るい星三つが大きな二等辺三角形を作っています。
はくちょう座も十字型の星座なので、とてもわかりやすい星座ですね。
ちょうど ベガ(織姫) と アルタイル(ひこ星)の間を 「はくちょう」 が、ふたりの仲を取り持つように通り抜けようとしている位置関係にあるのがわかると思います。
天の川は、ちょっと見つけにくいのですが、街灯のない小高い場所に登ると、「はくちょう」 の胴体に沿って、ぼんやりと雲のような白い帯が見えますが、それが天の川ですね。
「銀河」 とも 「ミルキーウェイ」 とも呼ばれます。
天の川 の正体は沢山の星の集まりです。
私たちの太陽系は、銀河系の端の部分にあるため、銀河系の中心方向をみると星が密集して川のように見えるというわけですね。
七夕の伝説と短冊の関係は?
中国の乞巧奠(きっこうでん)では、五色の糸を供える習慣がありました。
日本の奈良時代でもそれに習って7月7日には五色の糸をお供えしていました。
実はこれが短冊を飾る由来であり、糸から短冊に変わったのは室町時代で、この頃は短冊に和歌を書いていたようです。
今のように短冊に願い事を書いて笹に飾るようになったのは、手習い事の願掛けが一般に浸透した江戸時代に入ってからなので、結構歴史は浅いんですね。
つまり、七夕の伝説は大昔のお話ですが、短冊が登場したのは、つい最近といってもいいでしょう。
そして、短冊に願い事書いて飾るのは、1年に1度出会う織姫と彦星にあやかって、星に願いを叶えてもらう、という意味もあるようですね。
さて、今年はどんな願いごとにしようかな・・・
まとめ
●七夕の伝説は、織姫と彦星の遠距離恋愛のイメージの話。
●七夕の伝説の登場人物が、夏の大三角形のベガ、アルタイル、デネブとなっている。
●七夕の短冊は、中国の乞巧奠(きっこうでん)の5色の糸をお供えする習慣から派生した。