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敬老の日の意味とは?老人を敬う理由とは?なぜ日本だけ祝日?

      2018/05/02

敬老の日とは、老人を敬う日ですよね?

なぜ、老人を敬うのでしょうか?

確かに、昔からそう教えられてきましたし、当たり前のことのような気もしますが、本当の理由があるはずですよね。

今回は、敬老の日の意味や、老人を敬う理由、そして何故日本だけが祝日なのかについてご説明します。

 

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敬老の日の意味とは? 敬老の対象となる年齢は?

敬老の日の意味とは、文字通り、老人を敬う日という意味ですが、法律に則って、正確に言うと、「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し長寿を祝う日」ということになりますね。

敬老の日は、昔は9月15日でしたが、法律の改正により2003年からは9月の第3月曜日が敬老の日となりました。

 

いわゆるハッピーマンデーですね。

3連休になって嬉しいな!というのが本音のところですが、本来の敬老の日というのは、やはり老人を敬うことがポイントです。

これは小さい頃から、そう教えられてきましたから、日本人には馴染み深い考え方ですよね。 きっと、儒教の影響もあるんでしょうね。

 

ところで、実際、敬うべき老人とは一体何歳の人を言うのでしょうか?

法律的には、「国民の祝日に関する法律」では、「敬老の日」は、とくに何歳以上が対象といった定めはないんですね。

つまり何歳でもいいわけです。

 

一方、「老人福祉法」では、「敬老の日」だった9月15日は国民の祝日ではない「老人の日」、9月15日~21日の1週間は「老人週間」となりましたが、この「老人福祉法」では、老人福祉の対象を65歳以上と定めています。

ということから、国が考える老人とは、65歳以上と言えるでしょう。

現在では、年金を受ける方も65歳に移行されつつあり、65歳以上というのは、まあ、説得力はありそうですね。

 

世界的な標準で見てみると、各国共に平均寿命が異なりますので、微妙に国によって高齢者のイメージは異なってくると思われます。

国連では60歳以上を「高齢者」としています。

国際保健機構(WHO)では、高齢者を65歳以上としており、さらに、65歳~74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者、85歳以上を末期高齢者としています。

ちょっとこの末期高齢者という表現は、なにか末期ガンとかネガティブな印象を与えるので、変えるべきだと個人的には思っていますが・・・・。

 

一方、長寿命国の日本では、実際の「敬老の日」にお祝いをする自治体は、70歳か75歳以上を対象にしている市区町村が多いようですね。

したがって、日本人の常識的な感覚では、70歳~75歳以上が妥当なところでしょう。

 

なお、孫がいるかどうかは関係ありませんから、孫がいてもいなくても関係なく、単純に年齢だけで高齢者とみなされるわけですね。

つまり、50代で孫ができたら、確かに孫から見ればおじいちゃん・おばあちゃんになりますが、高齢者という意味では、高齢者ではないおじいちゃん、ということになりますね。

 

なんだか、ややこしくなってきましたが、まあ、ここでは年齢的に70歳~75歳を一般には高齢者として呼び、敬老の日に敬われるべき対象ということになりそうです。

 

老人を敬う理由とは?

当たり前すぎて、馬鹿じゃないの?って思われたかもしれませんが、なぜ老人を敬うの?って真剣に考えたことありますか?

正直なところ、あなたは老人のことをどう感じているのでしょうか?

 

どちらかというと、敬うというよりは、老人と子供は守るべき生活の弱者として、優しくして上げるって感じにとらえていませんか?

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今の日本は、嫌老好若社会と言われています。

人もモノも新しい方がいいという近代工業社会の影響で、「若さ」を好み、「老い」を嫌うという風潮が生まれたんですね。

でも、その風潮はあくまで近代工業社会特有の現象であって、人類がつねにそうであったわけではありません。

 

古代エジプトでは、年を取り、経験を積むと、人間は賢くなると考えられていましたし、実際に老人とは、知恵の宝庫であり、技術の伝承者でもあったのです。

古代中国の老子は、「老い」というものを、醜く年を取ること、老衰していくことというようにネガティブにとらえるのではなく、充実であり円熟であるとひたすらポジティブに考えていたようです。

孔子の儒教においても、「老い」を決してネガティブにとらえず、老いることを衰退とせず、一種の人間的完成として見ました。

『論語』の有名な言葉に、「われ十五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知る。六十にして耳に従う、七十にして心の欲する所に従って矩(のり)をこえず」とあります。

60になって人の言葉が素直に聞かれ、たとえ自分と違う意見であっても反発しない。

70になると自分の思うままに自由にふるまって、それでいて道を踏み外さないようになった。

ここには、孔子が「老い」を衰退ではなく、逆に人間的完成としてとらえていることがよくわかります。

 

人は老いるほど豊かになるのです。

 

老人は「弱者」だからいたわり、大切にするのではありません。

老人が「経験」と「知恵」を持っていて、尊敬される存在だからこそ大切にするという、本物の敬老精神がこの敬老の日の本質ではないでしょうか。

 

また、生きることは、常に競争に晒され、病気や怪我にも打ち勝ち、仕事の試練を通じ、中には子育てもしながら、人生の最終コーナーに入ってきた老人たちは、やっぱり、立派な人生の戦士たちと言えるでしょう。

平凡に見えるかもしれないけれど、当人にとっては波乱万丈の人生を過ごして、今、老人としていることに、おめでとうございます、と言うのが敬老の日の本質ではないでしょうか。

 

敬老の日が祝日となっているのが日本だけの意味とは?

海外にも敬老の日と似ている日はありますが祝日としているのは日本だけですね。

 

イギリスには母の日、父の日はありますが、敬老の日はありません。

アメリカにも9月の第2日曜日に『National Grandparents' Day(祖父母の日)』という日がありますが、敬老の日はありません。

アイルランドでは、祝日はないものの、50歳から10歳ごとの節目でお祝いをします。

ニュージーランドにも祝日はありません。

中国の重陽節では一家揃って先祖の墓参りをしたりする行事で、敬老の日とちょっとイメージが違いますね。

韓国は儒教の教えが根付いているため、目上の方たちを敬い、尊重するのは当たり前とされており、祝日はありません。

 

各国も老人を敬う気持ちはあるものの、日本だけが妙に明確にしており、そして、祝日にまでしています。

 

これは、現在の日本の風潮である嫌老好若の行き過ぎに歯止めをかける意味合いもあるように思えてくるのは、私だけの思い過ごしでしょうか・・・。

 

まとめ

●敬老の日は、毎年9月の第3月曜日。

●高齢者の定義は、法律的には65歳以上、一般常識的には70歳~75歳。

●老人を敬うのは、「弱者」だからいたわり、大切にするのではなく、本来、「経験」と「知恵」を持っている老人を尊敬するため。

なお、近代社会では、厳しい人生を生き抜いてきたという今に、おめでとう、という意味もあるのではないか。

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