スタッドレスタイヤの基本的な選び方!サイズは?メーカーは?
2019/11/12
雪道やアイスバーンにはスタッドレスタイヤが必須ですね。
一度でも経験したことある方は、わかると思いますが、夏タイヤで雪道を走ることはできません。全くグリップしませんから。
通常の夏タイヤとスタッドレスタイヤでは雪道のグリップ力は天と地の差があります。
ここでは、そんな雪道ドライブに必須となるスタッドレスタイヤの選び方の基本をご紹介しましょう。
スタッドレスタイヤの選び方、サイズはどうする?
まず、スタッドレスタイヤを購入する際には、その車の純正タイヤサイズにすることが基本です。
昔はよく幅の狭いタイヤ(細いタイヤ)のほうが滑らないと言われることもありました。
しかし、それはスパイクタイヤの場合ですね。スパイクタイヤとは、スノータイヤにスパイクという金属のピン(鋲)を多数打ったものです。
このスパイクがアイスバーンの氷に食い込んでグリップするわけです。
ということは、このスパイクのピンにかかる力が大きい方が、氷面に食い込みやすくなりますね。
太いタイヤと細いタイヤでは細いタイヤのほうが接地面積が小さいので、タイヤの面圧が大きくなり、スパイクのピンへの力も大きくなって、食い込みが良くなる、ということなんですね。
ところが、金属製のスパイクのピンが雪解けのアスファルトを削って、いわゆる粉塵公害の原因ともなり、現在では、殆ど全てスタッドレスタイヤになりました。
スパイクのピン(鋲)のことをスタッドともいうので、スタッドのないタイヤということで、スタッドレスタイヤといいます。
さて、スタッドレスタイヤの場合は、グリップ力の特徴はどうなんでしょうか。
一般には、雪道、いわゆる圧雪路と、アイスバーンでは適切なタイヤサイズは異なると言われています。
雪道では、雪への食い込みが良いほうがグリップするので、スパイクタイヤと同様の理屈でタイヤの接地面圧を大きくするのが有利です。
従って、幅の狭いタイヤ(細いタイヤ)のほうがグリップがいいのです。
一方、アイスバーンでは、相手が氷ですから、表面が固くてとても食い込んでいかないので、ゴムと氷との摩擦力でグリップすることになります。
この場合は、接地面積が大きいほうがゴムと氷の接地面積も大きくなり、摩擦力も大きくなります。
従って、幅の広いタイヤ(太いタイヤ)のほうがグリップがいいと言われています。
とはいえ、実際の路面は雪道もあるし、アイスバーンもあります。また、雪のない乾燥路を走ることもあります。
そう言う意味では、あらゆる状況下を想定すると、純正タイヤを選択するのが妥当ということになるわけです。
しかし、タイヤサイズには、幅だけではなく、偏平率というものがあります。
偏平率とは、タイヤの幅をタイヤの断面高さで割ったもので、偏平率が低いほど平べったいタイヤとなります。
偏平率が低いとタイヤの側面が短く、そして固くなり、タイヤ全体の剛性が上がり、クイックなハンドリングにもタイヤが追従できるようになります。
従って、スポーツタイプの車によく装着されていますね。
一方で、ゴツゴツとした感じとなり乗り心地が悪くなるのが欠点です。
ただ、雪道では、タイヤのゴムが路面に密着することがグリップには重要ですので、偏平率の低いタイヤ(側面が硬い)よりも、偏平率の高いタイヤ(側面が柔らかい)のほうが、タイヤ全体が柔らかく、路面の凸凹に追従するので、グリップに有利です。
たとえば、純正タイヤが偏平率45なら、スタッドレスタイヤでは、60や65にすることで、雪道でのグリップがよくなります。
もちろん、乾燥路では、多少ふにゃふにゃした感じになっちゃいますが、冬は仕方ないですね。
また、偏平率が高いと価格は安くなる傾向ですから、経済的でもあります。
但し、この場合は、タイヤの外径を変えないために、ホイールも小さくする必要がありますので(インチダウン)、お店で、ご自分の車に合ったものを選びましょう。
スタッドレスタイヤの選び方、メーカーはどこがいい?
日本のタイヤメーカは、基本的にアイスバーン性能を重視しています。
アイスバーンはツルツル滑ってとっても危険だからです。
特に、雪が昼間の陽気で多少とけて、その後、夜に冷え込んで凍ったような場合には、本当にツルツルとなります。
夏タイヤでは、平地でも前に進まなくなります。
一方、欧州メーカは耐摩耗性や高速性能や乾燥路性能を重視しています。
目指しているところが異なるため、特徴も大きく異なります。
日本のタイヤは、最も危険と言われるアイスバーンでグリップを高めるために、設計されています。
触ってみるとすぐわかりますが、夏タイヤとスタッドレスタイヤでは、ゴムの柔らかさが全然違います。
スタッドレスタイヤはとてもやわらかいのです。
また、アイスバーンには、特に、タイヤゴムのなかに気泡をいれた発泡系ゴムタイヤの性能がいいと言われています。
日本で初めて発泡系ゴムタイヤを作ったのがブリヂストンです。
そのために、スタッドレスといえば、「ブリジストンのブリザックが一番!」という神話が生まれました。
実際には、ヨコハマタイヤも発泡系ゴムタイヤを作っており、性能的には遜色がないです。
コスパ的には圧倒的にヨコハマのほうがいいですね。
ただ、買い物というのは、買う人の満足度の問題も大きいため、ブリザックという名前に憧れがあったりすると、ブリジストンを選びますね。
日本のメーカのタイヤは、ブリジストンやヨコハマ以外でも、日本のメーカは普通に使うには充分な性能を持っています。
ただ、ゴム自体がとても柔らかいため、グリップも良いかわりに減りも早いですね。
一方、欧州系タイヤではミシュランがメジャーですね。
ただ、日本のメーカとは狙っている性能が異なるので、アイスバーンでのグリップ力は日本製よりも劣ります。
これは目的が違うので、仕方ないことですね。
日本の北海道や新潟などの雪国では、やっぱり日本製がおすすめです。
アイスバーンの怖さを知っている人には、やっぱり日本製でしょう。
一方で、東京など、たまにしか雪が降らないところや、あまり積もらないところでは、ミシュランという選択肢もありだと思います。
こちらは、耐摩耗性が高いので、長持ちしますし。
スタッドレスタイヤのサイズと製造時期の見方は?
タイヤの基礎知識として、基本は理解しておいたほうが、なにかと便利です。
ここでは、タイヤサイズの見方と、製造時期の見方について、簡単にご説明しましょう。
タイヤをよく見ると、側面に、例えば「195/65R15 91H」等と書いてあります。
初めの「195」はタイヤの幅(mm)を表します。
この場合はタイヤの幅が195mmということになります。
次の「65」はタイヤの偏平率と言って、タイヤの幅をタイヤの断面高さで割った割合を%表示したものです。
この場合は偏平率65%のタイヤということになります。
この値が小さくなればなるほど偏平なタイヤ(平べったいタイヤ)となります。
次の「R」は、ラジアルタイヤであることを示しています。
現在は普通ラジアルタイヤですので、あまり気にしなくていいでしょう。
次の「15」は、ホイールのリム径(ホイールの外径)をインチ表示しています。
この場合は、15インチのリム系ということになります。
次の「91」とは、ロードインデックス(LI)と呼ばれる指標で、タイヤ1本で支えることのできる荷重を示しています。
91とは単に指標なので、数値に意味はありません。この場合は、615kgの負荷能力があることを示しています。
これもあまり気にしなくていいでしょう。
最後の「H」とは、速度記号(スピードレンジ)を示しています。
この場合もHは単なる記号なので、意味はありません。
Hは、最高速度は210km/hであることを示しています。
この他に、Qなら160㎞/hとか、Sなら180㎞/hとか決まっています。
次に、製造時期についての表示についてです。
タイヤをよく見ると、例えば X4716 等と書いてあります。
このXから始まる4桁の数字が、製造時期を表しています。
この場合、初めの「47」が47週目という意味で、次の「16」が2016年という意味です。
つまり、2016年の47週目に製造されたということを示しています。
まとめ
●スタッドレスタイヤは、純正サイズを基本に選びましょう。
●偏平率の低いタイヤが純正の場合には、偏平率を60以上に変更するのがおすすめ。
●アイスバーン重視ならやっぱり日本製のタイヤメーカが安心。