北海道の道東旅行にはマイカーとレンタカーどっちが安くて便利?
2018/05/03
北海道旅行、特に道東といえば、やっぱり車でいろんなところを回るのが便利です。
なぜなら、北海道は、鉄道の通っていないところが多いため、バスに頼らざるを得ず、そうなると、時間効率がとても悪くなるからですね。
何と言っても、道東の広い道を車で走るのは気持ちもいいですし、車が一番人気なのも納得です。
ところで、車で回るとはいえ、「フェリーで自分のマイカーを北海道に持ち込む場合」と、「飛行機で目的地近くまで行き、そこからレンタカーを借りる場合」の大きくは2つの方法がありますよね。
ここでは、この「レンタカーとマイカーのどっちを選ぶのが安くて楽しめるのかなぁ?」と悩んでいるあなたにズバリお答えしましょう。
ここでは、以下の条件で検討します。
■旅行人数 =大人2人
■出発地 =東京
■目的地 =道東の観光地巡り
■旅行期間 =1週間
目次
北海道旅行に「マイカー」を使う場合と「レンタカー」を使う場合のメリットとデメリットとは?
北海道旅行を計画するときに、マイカーとするかレンタカーとするかは迷うところですが、コスト検討に入る前に、メリットとデメリットを整理しておきましょう。
マイカーを使う旅行のイメージとは?
マイカーを使うということは、フェリーを使って自分の車を運ぶということですね。
フェリーはいろいろな航路がありますが、北海道に行くには、函館・小樽・苫小牧のいずれかに入港しますので、そこからが車の旅になります。
今回は道東中心の旅なので、函館はパスして、小樽または苫小牧から道内に入ることで考えましょう。
函館をパスすることから、北海道新幹線も検討対象から外していいでしょう。
新幹線は函館までの旅費検討でもコストメリットは見いだせませんでしたしね。
詳しくは、「東京から函館への行き方で最も格安な方法とは?電車?高速バス?車?
概略の日程は、例えば大洗からフェリーを使う場合だと、東京からマイカーで大洗まで行き、そこからフェリーで苫小牧に渡り、道東を周遊してきて、最後には苫小牧に帰ってきて、フェリーで大洗へ戻り、そして東京にマイカーで帰ることになります。
フェリーを使うために、出発地点まで戻ってくる必要があります。
あるいは、小樽に戻って新潟経由で帰ることも可能ですね。
マイカーを使う旅行のメリットは?
マイカーを使うメリットは、以下の点です。
1.いつも慣れているマイカーなので運転に慣れている
2.移動にかかる費用は、高速代とガソリン代だけで済む
3.自宅から荷物を沢山積んで行ける。2人ならオートキャンプも可能。
4.最悪の場合、車中泊も可能。2人なら大丈夫。(4人になると厳しい)
マイカーを使う旅行のデメリットは?
一方で、マイカーを使うデメリットは、以下の点です。
1.マイカーの輸送にお金がかかる。
2.フェリーでの移動に時間がかかるため、観光する時間が短くなる。
3.欠航や船酔いのリスクがある。
4.道東を旅行したいので、釧路あたりに直接行きたいものの、現在ではその航路はないため、苫小牧か小樽からしか北海道入りできない。
レンタカーを使う旅行のイメージ?
レンタカーを使うということは、飛行機を使って自分の体と荷物を現地に運び、車は現地で借りるということですね。
北海道の空港は沢山あるので、好きな場所に行けます。
今回は、道東中心の旅ですので、帯広・釧路・女満別・中標津・紋別の5つの空港がメインになりますね。
これらの空港情報は、「ひがし北海道5空港ネット」(http://www.easthokkaido-5airport.jp/)が参考になります。
概略の日程の例としては、東京から釧路まで飛行機で行き、道東をレンタカーで周遊した跡、最後は、また釧路から、東京へ飛行機で戻るような感じです。
飛行機の場合には、行きと帰りの空港を変えられるので、例えば、行きは帯広として、帰りは釧路としてもいいですね。
一方、飛行機といえば、今やLCC(格安航空会社)が札幌に就航していますので、札幌までLCCで飛び、そこから、道東の5空港に乗り継ぐことも可能です。
コスト比較は後ほど説明します。
レンタカーを使う旅行のメリットは?
レンタカーを使うメリットは、以下の点です。
1.目的地近くまで飛行機で行けるので、北海道に入るまでの時間が短い。
2.目的地近くから車で走り出せるので、観光に当てる時間を長く取れる。
3.比較的新しい車に乗れて、今時はナビやETCも標準で付いている。
レンタカーを使う旅行のデメリットは?
一方で、レンタカーを使うデメリットは、以下の点です。
1.荷物は飛行機に載せられる分しか持っていけない。
2.車の運転に慣れるまでに多少時間がかかる。
3.移動手段として以外の利用はできない。キャンプなどは無理。
北海道にフェリーとマイカーで行く場合のコストは?
以前は最も安い旅行手段であったフェリーですが、LCCの影響でそのメリットは低くなりつつありますね。
ただ、LCCもトップシーズンには飛行機代が高くなるため、変動幅が小さいフェリーはその点有利とも言えるでしょう。
又、道東旅行となるとLCCは飛んでいないので、まだ競争力ありそうです。
ここでは、最も一般的な航路である「大洗⇒苫小牧」、「仙台⇒苫小牧」、「新潟⇒小樽」の3航路について比較します。
大洗⇒苫小牧の三井商船フェリー
東京からは最も近い大洗からフェリーに乗れるのがメリットですね。
「夕方便」と「深夜便」があり、夕方便には最上階にレストランがあって、水平線を眺めながらの食事ができますが、深夜便は貨物主体のためにレストランや売店がなく、自販機のみとなります。
旅行で行くなら、当然、夕方便(18:30大洗発⇒翌13:30苫小牧着)がおすすめですね。
レストランはバイキング形式で、朝食1,050円、昼食800円、夕食1,900円となり、2食セット券を購入すると割引がありますよ。
インターネット割引で5%、往復割引10%等の割引もありますので、詳細はこちらを参照ください。(http://www.sunflower.co.jp/ferry/index.shtml)
ここでは東京から釧路までの運賃で比較します。フェリー代は時期により価格が変わりますの最安値と最高値を記載します。
■東京⇒大洗⇒苫小牧⇒釧路の運賃
東京⇒水戸大洗 高速代 =3,610円(ETC)
ガス代 =140㎞/12㎞x120円=1,400円 (2時間)
大洗⇒苫小牧
乗用車運賃(5m未満) =26,740円~39,090円(運転者のエコノミールーム運賃込み)
乗員運賃 =8,740円~14,910円 (19時間)
苫小牧東⇒釧路 高速代 =3,330円(ETC 苫小牧東⇒池田)
ガス代 =190㎞/12㎞x120円=1,900円(3時間)
乗用車1台と大人2人の運賃合計=45,720円~64,240円 (24時間)
仙台⇒苫小牧の太平洋フェリー
最も設備とサービスが良いと言われるのが、この太平洋フェリーです。
毎日運行1日1便で、仙台発19:40で苫小牧着は翌11:00です。
「いしかり」「きそ」「きたかみ」と3隻運航していますが、「きたかみ」は少々他の2隻よりは古く設備も若干劣るため、ちょっと安い価格設定です。
運賃はインターネット割引で5%~10%引き、往復割引で10%引き等もあり、早割で2ヶ月前から28日前までに早割で予約すると最大で50%引きとなるため、予定を決められる場合には、是非とも早割を活用したいですね。
詳細はこちらを参照ください。(http://www.taiheiyo-ferry.co.jp/index.html)
■東京⇒仙台⇒苫小牧⇒釧路の運賃
東京⇒仙台港北 高速代=7,220円(ETC)
ガス代=390㎞/12㎞x120円=3,900円 (4.5時間)
仙台⇒苫小牧
乗用車運賃(5m未満)=26,300円~32,400円(運転者のエコノミールーム運賃込み)
乗員運賃 =7,200~9,800円 (15.5時間)
苫小牧⇒釧路 高速代 =3,330円(ETC 苫小牧東⇒池田)
ガス代 =190㎞/12㎞x120円=1,900円(3時間)
乗用車1台と大人2人の運賃合計=49,850円~58,550円 (23.0時間)
新潟⇒小樽の新日本海フェリー
新日本海フェリーは、火曜から日曜に就航しており、新潟発10:30で、小樽着は翌04:30分です。
レストランでは海を眺めながらの船上での食事を楽しめます。
入り口でトレーを持って好きな料理を取るカフェテリアタイプです。
朝食セットメニュー520円、昼食の知床塩ラーメン700円や十勝ホエー豚丼900円など、比較的リーズナブルな価格です。
運賃は、往復割引の10%等もあります。
■東京⇒新潟⇒小樽⇒釧路の運賃
東京⇒新潟亀田 高速代=5,150円(ETC)
ガス代=320㎞/12㎞x120円=3,200円 (4時間)
新潟⇒小樽
乗用車運賃(5m未満)=21,500円~28,700円(運転者のエコノミールーム運賃込み)
乗員運賃 =6,480~10,180円 (18時間)
小樽⇒釧路 高速代 =4,270円(ETC 小樽⇒池田)
ガス代 =245㎞/12㎞x120円=2,450円 (3.5時間)
乗用車1台と大人2人の運賃合計=43,050円~53,950円 (25.5時間)
フェリーで東京から釧路まで大人二人と車一台のコストと時間のまとめ
2.太平洋フェリー(仙台⇒苫小牧) 49,850円~58,550円(23.0時間)陸送距離580㎞
3.新日本海フェリー(新潟⇒小樽) 43,050円~53,950円(25.5時間)陸送距離565㎞
定価ベースではそれほど大きな金額差、時間差にはなりませんでした。
コストは約5万円~6万円、時間は約24時間ですね。
コスト的には太平洋フェリーの早割を使えれば一番安くなりそうですし、設備も充実している船も魅力です。
陸送距離とはマイカーで道路を走る距離を示していますが、三井商船フェリーを使った場合が、一番時間が短いのでドライバーの疲れがその分少ないとも言えそうです。
小樽でちょっと観光できる新日本海フェリーも捨てがたいですが、小樽から釧路はちょっと遠いかな?って感じです。
ここから先は実際の日程が固まったところで、船賃の割引等を再度精査して、お好みで決めればいいでしょう。
1週間の旅行全日程の概略コスト
ここでは、例として三井商船フェリーを使った場合で想定すると、こんな感じになります。
2日目 13:30苫小牧着、14:00苫小牧発、18:00釧路到着 (280km)
3日目 道東旅行 1日200km(想定)
4日目 道東旅行 1日200km(想定)
5日目 道東旅行 1日200km(想定)
6日目 釧路発、苫小牧着(280km)18:45苫小牧出航
7日目 14:00大洗到着、14:30大洗発、16:30東京着
つまり実質の道東旅行は、3日間となってしまいます。
■その他の経費を含めて、フェリーを使った場合の総合計は以下の通りです。
宿泊費=4泊x約7000円(ビジネスホテルを想定)x2人=約5.6万円
ガス代=約1200㎞/12㎞x120円 =約1.2万円
合計=約16.8万円~18.8万円
以上、フェリーとマイカーで行く道東旅行1週間分の総旅行費は、約17万円~19万円程度となります。
北海道に飛行機とレンタカーで行く場合のコストは?
さて、次は飛行機の利用して北海道入りする場合ですが、ここでケーススタディが必要だと思われるのは、LCCを使用した場合とLCCを使わない場合ですよね。
LCCは新千歳空港にしか就航していないので、そこから道内のローカル路線に乗り換えて釧路空港まで行くことで比較してみましょう。
LCC(格安航空会社)を利用した場合
札幌に就航しているLCCは「ジェットスター」、「バニラエア」、「ピーチ」の3社です。
これらを利用した場合の東京から新千歳空港までのコストは以下の通りです。
■LCCを使用した場合の東京から新千歳空港までの片道料金
・東京駅⇒成田空港駅 電車代 =1,130円
・羽田空港⇒新千歳空港 LCC飛行機代=5,000円~15,000円
・合計金額= 約0.6万円~1.6万円/人・・・① (3時間)
なお、LCCを使う際には注意すべき点もいろいろとありますので、詳細はこちらも参考にどうぞ。
「東京から札幌への行き方で最も格安な方法とは?LCC?フェリー?新幹線?」
新千歳空港から道東への航路であるのは、「たんちょう釧路空港」、「根室中標津空港」、「女満別空港」の3つだけですので、ここでは、新千歳空港から「たんちょう釧路空港」までとして費用を調べます。
■新千歳空港からたんちょう釧路空港までの片道料金
・新千歳空港⇒たんちょう釧路空港 1日3便 ANA
片道普通運賃 24,600円
株主優待割引 12,300円
株主優待券を6,000円で購入した場合は、18,300円/人となりますね。・・・② (1時間)
LCCを利用した場合の東京から釧路までの片道料金は、①+②=約2.4万円~3.4万円/人 となります。
東京から釧路へ直行便を利用した場合
JAL・ANAで羽田空港から釧路空港へ直行便が飛んでいますので、これを利用するのが一番便利ですね。
■JAL・ANAを使用した場合の東京から釧路空港までの片道料金
・東京駅⇒羽田空港駅 電車代=650円
・羽田空港⇒たんちょう釧路空港 ANA1日3便・JAL1日3便
片道普通運賃 46,390円
株主優待割引 23,340円
株主優待券を6,000円で購入した場合は、29,340円/人となりますね。
JALやANAの直行便を利用した場合の東京から釧路までの片道料金は、約3万円/人 となります。
以上から、LCCを利用して乗り継いだ場合と、JALやANAの直行便を使った場合でも、それほど大きな差になりませんでした。
それなら、直行便を使ったほうが便利ですよね。
ただ、実際にはLCCの価格は大きく変動しますから、実際に行くときに再度チェックを忘れずに。
レンタカー費用
レンタカー費用は、1日3,000円~10,000円ぐらいまで、車種等によって大きく値段が異なります。
予算としては、平均的なコンパクトカーとして5000円/日で想定すると、7日間全部使うとして、レンタカー費用=5,000円x7間=35,000円ぐらいでしょう。
実際の旅行のときには、日程や自分のレンタルする条件を決めて、各社比較して決めるといいでしょう。
初めてならば、まずは大手をおすすめします。安心感が違います。
飛行機と宿泊とレンタカーのパックツアーもお得
また、「飛行機と宿泊とレンタカー」が、全てパックになっているツアーもあります。
結構自由に組み合わせることもできるツアーもあるので、これらを活用すると合計金額でお得になる場合もあります。
検討して見る価値はありそうですね。
1週間の旅行全日程の概略コスト
ここでは、例として、ANAの釧路への直行便を使い、帰りも同じ釧路とすると、以下のようなイメージとなります。
実際は、帰りは違う空港にしてもOKですよ。 (そんなとき、株主優待割引を使うと便利なんですよね。)
2日目 道東旅行 1日200km(想定)
3日目 道東旅行 1日200km(想定)
4日目 道東旅行 1日200km(想定)
5日目 道東旅行 1日200km(想定)
6日目 道東旅行 1日200km(想定)
7日目 13:35たんちょう釧路空港発⇒15:25羽田空港着、16時羽田空港発⇒16時30分東京着
つまり、実質の道東旅行は、5日間となり、さきほどのフェリーよりも2日多くなります。
これは大きな差ですよね。
その他の経費を含めて、飛行機とレンタカーを使った場合の総合計は以下の通りです。
レンタカー代=5,000円x7日(初日から最終日まで借りる場合) =約3.5万円
宿泊費=6泊x約7000円(ビジネスホテルを想定)x2人 =約8.4万円
ガス代=約1000㎞/12㎞x120円 =約1万円
合計 =約24.5万円
以上、飛行機とレンタカーを利用した場合の総旅行費は、約24.5万円となります。
まとめ
●マイカーとレンタカーの最も大きな違いは、荷物沢山もっていけるかどうかという点です。
マイカーならアウトドアを楽しんだりキャンプしたりすることも可能です。
●北海道のアクセスにフェリーと飛行機を使った場合の最も大きな違いは、目的である道東旅行の日数の違いとなります。
フェリーを使うと有効日数が3日となり、飛行機では有効日数が5日となります。
●概算結果では、旅行費用は、フェリーを使うと17~19万円程度、飛行機を使うと24万円程度となり、5万円~7万円程度の差となりそうです。
●飛行機を使うと、有効日数が増える分、高くなるということですね。ここはじっくりと考えて決めましょう。
●実際の日程が確定したところで、より詳細の条件を詰めて、上記の比較を再検討するとともに、飛行機とホテルとレンタカーのパックツアーも検討対象にして、最も安くて楽しめる方法を探すがいいでしょう。
●今回のように1週間という期間なら、どっちにするか迷ってしまいますが、例えば、3泊4日ならフェリーは既にありえないわけで、飛行機の一択となりますし、一方で、逆にもっと長い場合、例えば2週間や3週間程度の旅になると、2日程度のロスの影響はほとんど無くなるので、その場合は、断然フェリーがいいですね。私なら、その場合は、もちろんキャンプ道具を積んでいきますね。