ミライースとムーヴのどっちがいい?実際に使って感じた違いとは?
2018/05/03
先日、ダイハツのムーヴの新車を購入しました。
このクラスの軽自動車を数台乗り比べた結果、ムーヴのグレードLに決めたわけですが、納車までに2週間程の時間がかかり、その間は代車のミライースを借りることになりました。
代車のミライースも新車で偶然同じグレードLでした。
つまり、ミライースの新車に2週間乗ってから、ムーヴに乗ることができたので、両車をじっくりと比較してその違いを明確に把握することができました。
そこで、ここでは、「ミライースとムーヴのどっちにしようかな?」と迷っているあなたに、参考情報として私の体験記をお伝えしたいと思います。
目次
「ミライース」に乗ってみた感想とは?
「ミライース」に乗り込んでみたときの率直な感想は?
代車として借りたミライースは、グレードが L(SA付き)のSA(スマートアシスト:衝突防止等の安全機能)付きです。
4つのグレードの内の下から2番目ですね。
もし、自分がミライースを買うならこのグレードだな、というグレードです。
外見は、いたって普通の軽自動車という感じですが、外観はすっきりしていて個人的には結構好きです。
さて、早速乗り込んでみましょう。
ドアを開けると、外見よりも中は広々としている印象です。
運転席に座ってみると、座面がフラットな感じで、ちょっと硬めですが、悪い印象ではないです。
天井は、見た目ほどは低くはなく、身長180cmの私でも頭が天井に触れる心配は全くありませんでした。
シートの前後のスライド量も十分で、1番後ろに下げると、ハンドルが遠すぎるので、1番後ろよりは少し前にしました。
さらに、背もたれは少し立てるようにして手をハンドルに近づけるようにします。
これでなんとか、ドライビングポジションは決まりましたが、なんとなく座面が小さいというような感じを受けますね。
座面がフラットなので、益々そう感じるのかもしれません。
インパネの真ん中には、デジタルのスピードメータがドーンと鎮座していて、大きな数字の速度表示は視認性は抜群ですね。
タコメータはないのですが、なくても特に困りません。
ガンガンエンジン回す運転しませんから。
エアコン類のスイッチはマニュアルですが、これで十分です。
オートエアコンって、特に必要性を感じないのは、私だけかな・・・。
フロントガラスは結構傾斜しているので、空気抵抗は小さそうですが、いわゆるアップライトな快適な視界という感じはしませんね。
座面が低めなせいか、夜にはライトがやたらと眩しく感じましたね。
室内の寸法は、カタログでは、長さ2m、幅1.35m、高さ1.24mで、十分な広さです。
リア席にヘッドレストが無いのがグレードLの標準のようですが、これは付けたいところですね。
リアーシートは固定式なので、大きめの荷物を積むときは後部座席に置くしかないでしょうね。
「ミライース」を実際に運転した率直な感想とは?
5分ほどの試乗では、なかなかわからないところが、2週間も乗っていると、いろいろと見えてきましたので、私の気づいた点をご紹介しましょう。
まず、このミライースの燃費は35.2㎞/L(JCO8モード)となっていて、日本最高レベルで、ハイブリッド車にも匹敵する燃費ですよね。
この燃費を叩き出しているのが、このエンジンと、車体の軽さと、アイドルストップ機能という3つの要素が大きく寄与していると思われます。
エンジンは、直列3気筒の12バルブDOHCエンジンで、排気量658CCです。
まるでバイクのエンジンですよね。
ちょっと前なら4バルブDOHCといえば高回転型のスポーツバイクの証明みたいなものでしたが、いまでは軽自動車でもこんなハイメカのエンジンを搭載しているんですね。 ちょっと、今更ながら驚きです。
エンジンにお金かかっています。
DOHCというから高回転型かと思えば、結構低回転からトルクは出るので、高回転まで回す必要はあまり感じませんでした。
ということは、このDOHCはなんのためなのか、ちょっと意図がわかりかねますが、いざというときには回せるエンジンということなのでしょうね。
ムーヴと同じエンジですがデチューンされていて、出力は36KW(49PS)に抑えられていて、燃費重視が感じられますね。
車重は730㎏ですから、ムーヴより90㎏も軽いことになります。
さて、動かしてみましょう。
CVTとロックアップ機能付きトルコンの組み合わせで、スムーズに発車します。
動き出してすぐに、低速でもすぐにロックアップします。
燃費を良くしようとする姿勢を強く感じますね。
そのために、エンジンが若干ノッキング気味になるのが気になりましたね。
マニュアル車のイメージで言うと、時速20㎞/h程度のスピードで、すぐに4速に入れた感じです。
軽自動車に加速性能は求めない私としては、スルスルと進む感じは悪くはないですが、燃費を求めるあまりに、ハイギアに早めにいれて回転数を抑え、加速性能は極力抑えている感じはしました。
足回りでは、路面の凸凹は、結構コツコツと拾う感じがしますが、悪い感じはしません。
後部座席の乗り心地が心配でしたが、家族に言わせると、「普通に良いよ」って感じでしたので、そう悪くはなさそうですね。
ハンドルは適度に重くなっていてあまり軽すぎずに、安心してハンドルを握ってられます。
ウレタンハンドルの手触りも悪くないです。
ハンドリングそのものも素直で特に問題ありません。
ちょっと気になったのは、「アイドルストップ機能」ですね。
これは、信号待ち等で停車したときに、エンジンが自動的に止る機能ですが、これが凄く精密で、止まった瞬間にエンジンが止まるんですね。
例えば、小道に入ったときなど、一時停止と発進を繰り返すようなときに、エンジンがいちいち止まるのはちょっとうざい感じですね。
エンジンが始動するにはちょっとだけ間が開きますから、なんとなくギクシャクした感じになります。
減速するときには、発電してエネルギー回収をしているのが、運転していても感じます。
ブレーキを踏んでいないのに、アクセルを離すと結構エンジブレーキのように減速していくんですね。
あまりに早く減速してしまうので、随分前に停止しそうになり、またアクセルを踏まなければならないこともしばしばありました。
「ムーヴ」に乗ってみた率直な感想とは?
「ムーヴ」に乗りこんでみたときの率直な感想は?
代車の期間も終えて、ミライースを返して、さて「ムーヴ」が納車されました。
グレードはL(SAⅡ付き)のもので、3グレード中の1番下のグレードに相当しますね。
アルミホイールとか興味ないので、私はこれで十分です。
外見はミライースに比べると威張っている感じの顔つきの大きさが印象的です。
最近のワゴンタイプの軽自動車の王道的なスタイルですね。
さて、早速乗り込んで見ましょう。
まず、第一印象は「大きい」です。そして、「シートの座り心地がいい」でした。
ミライースに比べるとシートに包み込まれるような感じを受けます。
運転席は特にバケットタイプでも無いシートなのに、いい感じに腰が座るのは不思議。
シートが少し柔らかめなのと、お尻のほうが低くなっているので、スポットはまる感じになるからだと思われますね。
内装をブラックオプションにしたこともあり、ぐっとシックで引き締まった感じ。
天井も高く、空間に余裕を感じます。
シートのスライド量はこちらも十分に大きくて、1番後ろに下げなくても大丈夫です。
背もたれはやはり少し立てたほうがポジションが決まります。
ドライビングポジションは、ミライースよりもムーヴのほうが、快適に感じました。
チルトステアリングもありますし、シート高さ調整も可能です。
まあ、私の場合座高の高いのでのシートは1番下でOKですが、背の低い女性などにはありがたい機構ですね。
インパネ廻りの質感の高さは特筆ものですね。
ミライースのも悪くはないのですが、ムーヴに比べるとやっぱり、チープ感は否めないですね。
Lグレードでもタコメータが付いています。
タコメータって軽自動車には要らないんじゃないかと思っていましたが、実際あるとやっぱりいいですね。
時速60㎞/hでも2,000rpm以下だったり、いろいろと発見があります。
普通に乗っている分には、2,000rpmより上の回転域まで回す必要はないという実感です。
殆ど、バスと同じですね。しかし、低回転でもトルクが出るセッティングになっているのはなかなか扱いやすいです。
ブラックインテリアのオプションは2万円ぐらいで、ブラックの内装、本革製のハンドルが着くのでコスパいいと思います。
室内の寸法は、長さ2.08m、幅1.32m、高さ1.28mで、ミライースとくらべても室内高さが4cm程高いくらいで、あまりかわらないんですね。
しかし、感覚的にはより広く感じますし、車体全体が大きな車に乗っているような感じがするのは不思議なものです。
社内にいると普通車に乗っているのに近い感覚です。
後部座席の分割スライドも可能で、240mmも前に移動できるので、大きな荷物も積載できるのは嬉しい。
これならキャンプに行く時に荷物を積むのも楽そうです。
後部座席のヘッドレストは標準装備です。これは必須ですよね。
「ムーヴ」を実際に運転した率直な感想とは?
まず、エンジンをかけると、メータが光ってメータが振り切れるまで一回動きます。
透過式のメータは昼間でも視認性高く、普通の針式のメータ表示だけれども、かえってスポーティーな感じがしていい感じです。
ムーヴの燃費は31.0㎞/L(JCO8モード)で、ミライースよりも4km/L程度低いですね。
車重もミライースよりも90kg重いことと、それを動かすエンジンもミラースと同じ形式ながらも、38KW(52PS)にチューンナップされています。
さて、実際に動かしてみましょう。
始めに感じるのが、スルスルと動き出す滑らかな動きですね。
CVTとロックアップ機能付きトルコンの設定が絶妙に調整されている感じがします。
ミライースは運転のしやすさや快適さよりも、とにかく燃費を良くするためのセッティングだとすれば、ムーヴのセッティングはFun to Driveのセッティングと言っていいでしょう。
実際、運転してみるとミライースよりも軽い車を運転しているような、滑らかな加速と適切なタイミングによるロックアップにより、エンジンのノッキングのような感じも全くないですね。
このエンジンとCVTとトルコンのセッティングは素晴らしいと感じました。
乗り心地も滑らかで、ミライースでは路面の凸凹を直接お尻に感じるようなゴツゴツ感が多少ありましたが、ムーヴでは路面の凸凹を滑らかに吸収する感じがします。
全体的に、乗り心地がいいですね。
本革製のハンドルも、やっぱりウレタン製に比べると握った感触がいいですね。
本革のステアリングとタコメータとブラックの内装が揃っているので、ちょっとだけ、スポーツカーに乗っているような気分になれます。
ムーヴのアイドリングストップのセッティングも、ミライースとはちょっと違いますね。
ミライースが車の停止とほぼ同時にエンジン停止したのに対して、ムーヴは0.2秒位間があいてから止まるんですね。
この違いは大きいです。
一時停止して発進するような道では、ミライースだと、完全に停止するとエンジンが止まっちゃうので、しっかり停めずに、少し動いたままにしたくなっちゃうんですよね。
それがムーヴだと、0.1秒止まってもエンジンは止まらないので、安心して一時停止できます。
こちらのほうが、交通安全上も有利だと思いますし、一時停止違反も減るんじゃないでしょうか。
減速するときの発電する機能も、あまり極端に減速しないようなセッティングとなっていて、滑らかな運転につながりますね。
「ミライース」と「ムーヴ」、結局どっちがおすすめ?
ここまで、ミライースとムーヴの比較をしてきましたが、結局どっちがいいのでしょうか?
まず、「ミライース」を買うメリットは、グレードLで、100万円を切る「低価格」を実現していることと、「燃費が非常に良い」ことですね。
つまり、実用性としては申し分ないと思います。
これに対して、「ムーヴ」はグレードLで、25万円程高い約120万円の価格設定となり、あらゆる点で「ラグジュアリー」になっており、特に、「エンジンやCVT等のセッティングが素晴らしい」です。
しかし、燃費はミライースには及ばないということですね。
つまり、軽自動車でありながら、「コンパクトカーに近い車」と言えると思います。
どっちを選ぶかは、勿論、あなた次第です。
ただ、迷うなら、両方とも試乗して見てみることをおすすめします。
良し悪しよりも、その車のめざしているものが違うことが、はっきり感じることができると思いますよ。
まとめ
●ミライースの最大の売りは日本最高レベルの燃費の良さ。
シンプルな作りのなかにも日常の足として街中で使うには全く問題ない。
●ムーヴの最大の売りはエンジンとミッション系のセッティングのレベルの高さ。
コンパクトカー並の乗り心地と雰囲気を味わえる。
●どっちを選ぶにしても、買う前に試乗だけはしておきたい。