長崎くんちとは?日程や場所は?奉納踊りのスケジュールは?
2017/08/30
「長崎くんち」とは、例年、10月に行われる長崎の氏神様である「諏訪神社」の秋季大祭です。
毎年約25万人が訪れるという大きなお祭りですね。
ただ、初心者にとってみると、「長崎くんち」は、普通のお祭りとはちょっと違う点が多いので、わかりにくいお祭りでもありますよね。
特に、いろんな専門用語が飛び交うので、普通に説明を読んでも、なんのことだかサッパリわからないということになってしまいます。
そこで、ここでは、長崎くんち初心者のために、長崎くんちの基本情報と、この祭りの専門用語をご説明しましょう。
また、見どころもご紹介しますね。
これさえ読めば、あなたも「長崎くんち」フリークになれますよ。
目次
長崎くんちとはどんなお祭りなの?
長崎くんちとは?
まず、「くんち」という言葉ですが、これは「宮日」や「供日」とも言われたりしますが、陰暦の9月9日の重陽の節句(*)にちなんで、9日→くにち→くんち となったと言われています。
(*)重陽(ちょうよう)の節句とは、7月7日の七夕のような節句の一つで、9月9日は旧暦では菊の咲く頃であったので、菊の節句とも言われています。
お祭りの始まりは、寛永11年(1634年)に、2人の遊女が諏訪神社に謡曲「小舞」を奉納したことから始まったとされています。
ですから、もう380年以上も続く伝統行事なんですね。
その後、江戸時代からは、異国情緒のある長崎独特の文化が融合された豪華絢爛(ごうかけんらん)なお祭りになったようです。
ですから、長崎くんちでは、「奉納踊り」がとても重要なんですね。
この奉納踊りは「国指定重要無形民族文化財」に指定されているくらいです。
奉納踊りは誰が踊るの?
「長崎くんち」の特色は、その奉納踊りですが、誰でも踊って良いわけではないんですね。
踊り手は、踊町(*)から選ばれた人が出るのですが、この踊町が長崎市内に59町あります。
(*)踊町(おどっちょう・おどりちょう)とは、その年に奉納踊を披露する当番の町のことをいいます。
この踊町の59町が、7つの組に分かれていて、奉納踊りは、その組単位で、毎年順番に当番がやってきます。
ですから、例年5つ~7つぐらいの踊りを見ることができるんですね。
つまり、ある町にとってみれば、7年に一度当番が回ってくることになります。
7年に一度しかないわけですから、その町にとって見れば、オリンピックよりも貴重なわけですよね。
その当番の町の代表として、奉納踊りに参加出来るのは、とっても名誉なことで、末代まで語り継がれるぐらいのことなんですね。
ですから、踊町の祭りに賭ける気持ちは凄まじいものがあります。
また、見る方からすると、全部の踊町を見ようとすると、7年間通い続ける必要があることになりますね。
全部見るのは厳しいとしても、まあ、一度行けば、7年間待ち続けた踊町の覇気を十分に感じることができるでしょうから、一度でも十分に雰囲気を味わうことはできると思いますね。
ちなみに、くんちというのは、「長崎くんち」の他にも、「博多おくんち」「唐津おくんち」も有名で、これらを合わせて「三大くんち」と呼ばれています。
踊町の構成や順番は具体的に決まっているの?
踊町の構成も順番も予め決まっていますので、今後数年の予定はこちらで確認することができます。
なお、各々の踊町の踊りには、各々の特徴があります。
例えば、有名なところでは「龍踊(じゃおどり)」「鯨の潮吹き(くじらのしおふき)」「御朱印船(ごしゅいんせん)」「阿蘭陀万歳(おらんだまんざい)」「コッコデショ」などがあります。
特に、「龍踊」は有名ですので、TV等でも見かけたことは有ると思いますが、これも、毎年必ず見られるわけではないんですね。
予め、今年の予定表を確認して、どこの踊町のどんな踊りが見られるのかを、事前に確認しておくといいでしょう。
長崎くんちの日程や奉納踊りの場所は?
長崎くんちの日程は?
例年、10月7日・8日・9日の3日間にわたって行われます。
毎年、日付固定なんですね。
10月7日を「前日(まえび)」、10月8日を「中日(なかび)」、10月9日を「後日(あとび)」と呼びます。
また、このお祭りの全体の流れとしては、前日に諏訪神社の本宮の3体のご神体(お神輿)が、本宮から出てきます。
これを「お下り」と言います。
そして、お旅所の仮宮で中日を過ごし、後日には再び本宮に戻ります。
これを「お上り」と言います。
一気に階段を駆け上るお神輿は勇壮で、迫力満点です。
これらの神事の合間に、いろんなところで奉納踊が披露されることになるんですね。
長崎くんちの奉納踊りを披露する場所は?
奉納踊を披露する場所は、有料席のある「本場所」と、無料で見られる「庭先回り」があります。
本場所には、以下の4ヶ所の踊場があります。
本場所で見ると、フルスペックの奉納踊を見ることができますが、有料の鑑賞券購入が必要となります。
結構お値段も高いのですが、良い席は直ぐに売り切れるほどの人気です。
詳細についてはこちらを参考にどうぞ。 鑑賞券の入手も簡単じゃないんですよね。
1)諏訪神社
なんといっても諏訪神社の秋季大祭ですから、ここが本命ですね。
その分、人気も高く有料とはいいながらいい席を入手するのは大変ですね。
2)お旅所(おたびしょ)
諏訪神社から三基の御神輿がお下りした後、鎮座する仮宮があるところです。
長崎港に面したところで、周辺には屋台などもたくさん出て華やかな場所ですね。
お神輿は、前日にお下りをして、中日はお旅所の仮宮に入ります。
ここで最も重要な例大祭の祭典を行い、国家の繁栄や氏子の平安を祈念するわけです。
3)八坂神社
長崎市民からは「ぎおんさん」と呼ばれる古い町並みを残す地域です。
踊場と観覧席が近いので大迫力が魅力です。
4)中央公園
長崎中心市街地に位置して、ベンチシートや床に座る砂かぶり席もあります。
こちらも、踊りを間近に感じることができます。
長崎くんちの奉納踊りのスケジュールは?
前日(10月7日)は、朝7時~昼頃までと、16時~20時時頃までの2回、本場所で奉納踊りが行われます。
諏訪神社 7:00~
公会堂前広場 8:00~(招待客のみ)
お旅所 9:10~
諏訪神社 16:00~
公会堂前広場 17:00~
中日(10月8日)は、朝7時~11時頃まで、本場所での奉納踊りが行われます。朝だけで夕べはありません。
八坂神社 7:00~
公会堂前広場 8:10~
後日(10月9日)は、朝7時~11時頃まで、本場所での奉納踊りが行われます。こちらも朝だけで、夕べはありませんね。
お旅所 7:00~
諏訪神社 8:20~
例年、このようなスケジュールですが、町別の詳細なスケジュールはこちらをどうぞ。
朝が早いので、この日は早起きして見ないと見逃しちゃいますね。
特に、八坂神社は、中日の朝の1回だけですから、見逃せませんね。
本場所で行う奉納踊り以外にも、「庭先回り」というのもあります。
これは、街中で自由に見ることができて、フルスペックとまではいきませんが、無料で見ることができます。
ですから、高価な有料席でなくとも、雰囲気を味わうことは充分にできます。
庭先回りでは、予め決められた場所にチョークで地面にマークが付けられていて、そこで、踊りを披露してくれます。
奉納踊りのミニバージョンといったものですね。
庭先回りには、踊りを呈上して福を分ける意味合いがあります。
チョークでマークを付ける場所は、寄付金納めてくれた企業やお店などの前が多いですね。
下世話な話ではありますが、金額の多寡によって踊りの内容も少しづつ変わっている様です。
この庭先回りマップとスケジュールも事前に確認することができますので、これを見ながらお目当ての町を追っかけることもできますし、どこかの場所にとどまって、全ての踊町を見ることも可能ですね。
長崎くんち庭先回りスケジュールは、例年9月末に発表されますが、例年大体同じです。
2016年の庭先回りスケジュールはこちらをどうぞ。
2016年の長崎くんち庭先回りMAPはこちらをどうぞ。
庭先回りのスケジュールで、どの町の庭先回りを何時頃するのかがわかりますから、それをMAPで確認すればいいですよね。
また、祭り当日には、もっとリアルタイムで情報を得ることができます。
こちらでは、スマホで各踊町の現在地を知ることが出来るので、是非活用したいところです。
これがあれば、リアルで正確な情報を元に、行動することができるので、効率的に鑑賞することができそうですね。
長崎くんちの奉納踊りを見て、楽しい思い出が又一つ増えるといいですね。
なお、長崎市内の移動に車を使う場合には、駐車場が気になるところですよね。
できれば、上限料金のある駐車場に時間を気にせずに駐車しておきたいものです。
そこで、以下の記事も参考にどうぞ。
「長崎の安い駐車場!上限のあるおすすめの穴場スポット20選!」
まとめ
●長崎くんちは、380年以上の歴史を持つお祭りで、奉納踊りが有名です。
●奉納踊りは4つの本会場(有料)と、各地の庭先回り(無料)で見ることができます。
●庭先回りのスケジュールやマップもありますし、スマホで現在地を調べることもできますよ。