夏休みの工作!100均で作るアイディア集!ストームグラス編!
2021/08/09
ストームグラスは、今やオシャレなインテリアとして人気ですが、元々は、19世紀のヨーロッパで航海士が天気予測器として使われていたものなんですね。
ストームグラスの結晶の変化の原因は、いまだはっきりしていないのですが、温度や湿度、気圧、大気の電気学的な影響などによって、溶解度や結晶形状が変化すると考えられているようです。
ちょっとミステリアスな感じがいいですね。
あの有名なジュール・ヴェルヌの「海底2万マイル」にも出てきますし、あの進化論を唱えたダーウィンのガラパゴス諸島への航海に使われたビーグル号には、実際に備え付けられていました。
その頃は、本当にこのストームグラスで天気を予測しようとしていたんですね。
まあ、相当外れも多かったとは思いますが、なにもないよりはましだったんでしょうね。
というわけで、今回はこのちょっとミステリアスなストームグラスを夏休みの工作で作る方法をご紹介します。
化学薬品も使いますので、小学校高学年以上向けですね。
材料は、できるだけ100均で調達するようにしました。
さて、どんなストームグラスができるか楽しみですね。
目次
ストームグラスの材料を揃える!
ストームグラスは、基本的にはいくつかの薬品を混ぜるだけですので、作り方はとても簡単なんですね。
ただ、材料を揃えるのがちょっと面倒です。
今回の作品に使う材料は、以下の5つです。
1.硝酸アンモニウム
2.塩化カリウム
3.樟脳
4.精製水
5.エタノール
どれもあまり聞いたことのない薬品ばかりなので、ちょっと尻込みしてしまいそうですよね。
でも大丈夫です。1個ずつ見ていきましょう。
硝酸アンモニウム
正式なレシピでは、硝酸アンモニウムではなくて、塩化アンモニウムとなっていますが、この塩化アンモニウムは、簡単には手に入りにくいんですね。
そこで、塩化アンモニウム(NH4Cl)の代わりに、硝酸アンモニウム(NH4NO3)を使うことにします。
硝酸アンモニウムは、瞬間冷却パックの保冷剤として使われているので、そこから抜き出して使うことができます。
ちなみに硝酸アンモニウムと水が接すると吸熱反応が起こるので、その化学反応を利用した保冷剤になるんですね。
100円ショップでは、「瞬間冷却パック」という名前で売られていることが多いと思います。
強力タイプは尿素が含まれているものもありますが、硝酸アンモニウムと水が原料のものを選びましょう。
通常冷却材として使うときは、袋をたたいて中の水袋を破って使うのですが、ここでは、破らずに分解して硝酸アンモニウムだけを取り出して使います。
特別危険な薬品ではありませんが、防護メガネをして、直接肌には触れいないように、注意して扱いましょう。
通販で買うこともできます。
東京企画販売/瞬間冷却パック ひえっぺ |
塩化カリウム
正式なレシピでは、塩化カリウムではなくて、硝酸カリウムとなっていますが、この硝酸カリウムは爆弾の原料にもなるため、入手が難しいんですね。
そこで、硝酸カリウム(KNO3)とちょっと似ている塩化カリウム(KCl)を使うことにします。
塩化カリウムは、減塩50%カットの塩に含まれているので、簡単に手に入ります。
100均でこの減塩の塩が売っていないかもしれませんが、スーパーには売っています。
工作の後で余った塩はそのまま家庭で使えますので、実質的には、ほとんどコストはかからないことになりますね。
塩化カリウムと塩化ナトリウム(食塩)が半分づつぐらいのものが多いので、それを使います。
これは食用の塩として使うものなので、取扱は安心です。
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樟脳(しょうのう)
樟脳は、タンスにいれたりする衣類防虫剤ですね。
おばあちゃんの匂いと言うか、タンスをあけた時にする匂いとしてお馴染みですよね。
タンスからちょっともらってきてもいいですし、100均で探してもいいですね。
ただ、衣類防虫剤と言っても成分が異なるものもあるので、成分が樟脳であることを確認しましょう。
こちらがよく使われているものです。
特別危険な薬品ではありませんが、防護メガネをして、直接肌には触れいないように、注意して扱いましょう
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精製水
精製水とは、水をろ過・殺菌して精製された不純物を含まない水のことです。
通常は、コンタクトレンズの洗浄液として使われることが多いですよね。
これは、ドラッグストアや100均で簡単に手に入ります。
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無水エタノール
無水エタノールは、薬局やドラッグストアで売っています。
これはちょっと100均では見つけられないかもしれませんね。
エタノールは引火しやすいので火の近くでは扱わないようにしましょう。
また、皮膚や目に入ると大変ですので、防護メガネと手袋は必ず使用しましょう。
これは、ちょっと要注意の薬品ですよ。
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以上で、材料は揃いましたね。
なお、材料の計量をグラム単位で計量するので、デジタルの電子はかり(クッキングスケール)があったほうがいいですね。
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ストームグラスを作る!
材料の混合比率レシピは?
まず、材料の分量のレシピは以下の通りです。
合計で200ml程度ですので、完成容器に合わせて、分量はこれの比率で増減させればいいですね。
完成容器はガラス製で、フタで密閉できるものを準備します。
1.硝酸アンモニウム(瞬間冷却パック)⇒10g
2.減塩50%カットの塩(塩化カリウム)⇒20g(塩化カリウムは10g相当になるようにする)
3.樟脳(衣類防虫剤) ⇒20g
4.精製水 ⇒65ml
5.エタノール ⇒95ml
材料の計量は?
薬品を扱うので、念の為に、防護メガネ(100均にあります)と手袋はしておきたいですね。
瞬間冷却パックを分解して硝酸アンモニウムを10g計量しておいておきます。
減塩50%カットの塩の成分を確認して、塩化カリウムがどれくらい含まれているか確認します。
塩化ナトリウムと塩化カリウムが半分づつなら、塩化カリウム10gが必要なので、この塩を20g計量しておきます。
減塩カットの塩の種類によっては、塩化カリウムの配合割合が異なってきます。
塩化カリウムが10gになるように塩を計量するので、その点だけはちょっと注意が必要ですね。
材料の混合方法は?
匂いが強烈なので換気の良い場所で行いましょう。
ここでは、シンプルに一つの容器にどんどん材料を入れていく方法をご紹介します。
1.蓋付きの容器に樟脳をいれて、エタノールを投入します。(エタノールは取扱い注意です)
2.割り箸などで混ぜて溶かします。
3.次に、塩と硝酸アンモニウムと精製水を入れて、混ぜて溶かします。
4.完全に溶かすために、湯煎をします。(温度40~60度くらいのお湯につける)
エタノールがあるので、慎重に溶かします。
ここで横着して電子レンジなどは絶対にやめましょう。危険です。
5.完全に溶けたら一旦完成。
6.しばらく置いておき、結晶が多すぎるときは、無水エタノールを2~3滴追加し、結晶が少ないときは精製水を2~3滴追加して調整します。
要は、順番に混ぜて溶かしていけばいいというだけですよね。
こちらの動画も参考になります。
各薬品の分量は微妙に異なりますが、自分なり微調整してやってみて、結晶のでき方の違いを見るのも楽しいですね。
ストームグラスと天気との関係は?
完成したストームグラスの置き場所は、気温の変化が大きな場所がおすすめです。
ストームグラスは、基本の変化にあった敏感ですから、その変化を楽しみたいですからね。
そう云う意味では、玄関に置くのがおすすめです。
玄関は外気温に一番近いですから、エアコンの効いた部屋の中よりも天気に敏感に反応してくれます。
さて、ストームグラスと天気の関係ですが、これだけで天気予報をするのは現代では難しいとされていますが、それでも少しは参考になるかもしれません。
あなたの作ったストームグラスでしっかり観察してみましょう。
その観察日記を夏休みの自由研究にするのもいいですね。
ストームグラスの朝の写真と、その日の天気を書いていくだけで、ある程度傾向がわかるかもしれません。
一般的には、ストームグラスによる天気予知は以下のように言われています。
・天気が晴れる前は、ガラス管内の固形分は完全に底に沈んで、液体は澄みきる。
・雨に変わる前は、沈殿物の量が徐々に増え、星のようなものが透明の溶液中を浮遊する。
・嵐や暴風の前は、固形分の一部が溶液の表面まで達し、大きなシダの葉のような形になり、溶液は濁る。これは、天気の変わる24時間前に見られる。また、接近してくる方向の反対側のガラス管の壁に沈殿物が積もる。
・雪や霜の前は、管の高い位置まで沈殿物が積もり、その結晶はとても白く、浮遊する点状のものも見える。まるで、スノードーム。
・暑くなる前は、沈殿物は管の非常に低い位置に積もる。
こんな綺麗な結晶ができるといいですね。
まとめ
●ストームグラスの材料のほとんどは、100均で買えたり、家庭で使うものを流用できる。
●薬品を取り扱うので、安全のため防護メガネや手袋をしましょう。
●材料が揃えば、後は基本的に混ぜるだけなので、とっても簡単。
●ストームグラスを使って天気予報の自由研究も面白そう。