腹膜透析開始時の入院期間は?退院までに準備するものとは?
2019/09/18
私は、3月に1回目の入院をして、カテーテルをお腹に埋め込みしました。
その後、7月に2回目の入院をして、今後は、そのお腹のカテーテルを取り出して透析を開始をしました。
今回は、その2回目の入院についてご紹介します。
段階的に腹膜透析を進めながら、作業にも慣れていくことになりますが、その具体的な内容をご説明します。
更に、退院するまでに自分で準備すべきものをご紹介します。
透析開始のタイミングはどうやって決める?
3月にカテーテルをお腹に埋め込んでからは、いつでも透析開始できるため、定期的に血液検査をしていきながら、そのタイミングを見極める事になります。
3月の入院直後は、透析用の食事を毎日食べていたため、クレアチニンやBUN(尿素窒素)の値が少し良くなったんです。
クレアチニンも8を切る数値になりましたし、BUNも100を切っていました。
一般的には、クレアチニンが8以上、またはBUNが100以上になったら、透析を開始する目安とされていますので、しばらく様子を見ることになりました。
そして、6月に血液検査をしたときに、とうとう、透析を始める目安の数値まで上がってきたため、先生に「透析をはじめましょう」と言われました。
もう少し延ばしたい気持ちもありましたが、結局同意せざるを得ませんでした。
というわけで、実は自分としてはあまりひどい自覚症状がないまま、血液検査の結果から先生が透析開始の判断をしたって感じです。
もっと、自分で判断できる余地があるのかなと思っていましたが、実際には先生が決めたって感じです。
尿毒症の自覚症状も強くはなかったので、もっと延長していいのかもしれませんが、一方で腎機能が少し残っているうちに透析を始めたほうが、腎機能を長く保つことができるとも聞きます。
まあ、このあたりは先生によって意見も違うようですが、やっぱり、主治医の言うことを聞くことがベストと信じるしかないでしょうね。
自分が医者なら自分の判断で透析開始時期を決めることは当然できると思いますが、素人がとやかく口にできる問題ではないような気がします。
少なくとも、私は透析開始の時期に関して異議を唱える、知識も経験も全くないわけです。
入院期間はどれくらい?入院中に何をするの?
さて、6月に透析開始を決めたものの6月には予定していた仕事が立て込んでいたため、7月16日から入院ということになりました。
入院期間は10日間の予定です。
入院すると、すぐにお腹の中のカテーテルを取り出す手術を行い、透析を開始しました。
透析液の量を徐々に増やしていくようなプログラムが組まれていて、その間に看護師の指導を受けながら、実際の作業に慣れているようになっています。
透析液には短時間用のレギュニールと、長時間用のエクストラニールの2種類があって、まずはレギュニールで慣れてから、エクストラニールに移行していく感じになっています。
【入院時の腹膜透析プログラム】
1日目:カテーテル取り出し手術&レギュニール500ml注排液
2日目:レギュニール500ml注排液x3回(2時間滞留)
3日目:レギュニール1,000ml注排液x3回(2時間滞留)
4日目:同上
5日目:レギュニール1,500ml注排液x3回(2時間滞留)
6日目:レギュニール2,000ml注排液x3回(2時間滞留)
7日目:同上+エクストラニール2,000ml注液(翌朝まで滞留)
8日目:同上
9日目:同上
10日目:同上
このようにゆっくり進めていきますので、自分にも出来るかな~なんて、心配は全くいりません。
1日目は、先生がやり方を説明しながらやって見せてくれます。
2日目以降は、先生と看護師立ち会いのもとで自分ですこしずつやってみることになります。
始めのうちは液量も少ないので短時間で終わりますし、1日3回も繰り返すとすぐに慣れると思います。
というか、「つなぐ」と機械が作業の始めから一つの動作毎に細かく指示してくれますの、そのまま言われた通りのことをすればいいだけです。
「つなぐ」とは、お腹のチューブと透析液のチューブをつないだり、切り離したりを半自動でやってくれる機械のことです。
3日目以降は、患者の習熟度合いによってプログラムを柔軟に変更していましたね。
また、1日目~5日目には看護師による指導があって、そこでは「腹膜透析とは?」から始まり、「異常時の対応や食事」についても指導があります。
この指導には家族の方も一緒になって聞くことがいいと思います。
私の場合は妻に一緒に聞いてもらいました。
自分は事前に色々調べているので知っていることが多いですが、家族にとっては初めて聞くことも多いと思いますので、いい機会だと思います。
なお、食事指導の細かい話は、別途栄養士さんによる指導が予定されていました。
退院前までに準備するものはなに?
1週間も入院していると、もう注排液の交換作業については一人でも自信を持って出来るようになります。
もう退院も間近になりますが、この頃に退院した後でも自宅で透析ができるように、しっかりと準備しておくことが大切です。
私の場合も一部の機材の手配が遅れてしまったために、自宅で不便な思いをしました。
ここではそんなことのないように、しっかりと退院前の準備をしましょう。
まず、病院から支給されるものや、製薬会社から配送されるものは以下のとおりです。
【病院または製薬会社から支給または配送されるもの】
・透析液(レギュニール、エクストラニール)
・つなぐ
・キャップキット(マスクと「緑のキャップ」のセット)
・記録ノート
・排液確認用の下敷き
・保温カバー
・透析液バッグ保温器
・出口部の消毒用綿棒、Y字ガーゼ、ガーゼ、テープ
ほとんどの重要なものはすべて病院から支給されるか、製薬会社から配送されます。
但し、自分で用意する必要のあるものが7つあります。
これが結構重要で、自分でしっかりと手配して、退院日までに自宅に機材が届いているようにしておく必要がありますので、しっかりとチェックしておいてください。
【退院までに自分で準備するもの】
1.はかり
・はかりは排液の量を測るために必要です。あるいは、注液する量を1500mlに減らす場合などに必要です。
・私はこれの手配が間に合わなくて、自宅の体重計で代用してみましたが、やっぱり精度が悪くてだめですね。専用のものを用意しましょう。
・私が購入したのはこれです。こんなので十分です。
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2.ストップウォッチ
・排液時間を測定するために必要です。
・時計よりもやっぱりストップウォッチが便利です。スマホでも腕時計でもなんでもいいのでストップウォッチを準備しましょう。
・できれば、液交換する場所には常に置いて置くようにしたほうが便利ですので、専用のストップウォッチを準備するのがおすすめです。
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3.ボールペン
・記録ノートに記録するためのボールペンです。
・当たり前のことと思うかもしれませんが、意外にボールペンがなくて、不便な思いをすることもあります。
・記録ノート用の専用のボールペンを事前にしっかりと準備しておきましょう。
4.肌に優しいテープ
・病院ではテープも処方してくれると思いますが、長い間カテーテルやガーゼんをテープで肌に固定する場合は、肌が荒れて痒くなる場合もあります。
・私も肌が弱いので、すぐに痒くなってしまうため、できるだけかぶれにくいテープを使いたいわけです。
・そこで病院で勧められたのが「カブレステープ」です。たしかに、他のテープに比べると随分と肌に優しいので使っていますが、これは自分で購入する必要があるようです。(病院によっても違うかもしれません)
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5.透析液をぶら下げる器具
・透析液は高い所からぶら下げる必要がありますので、病院では点滴等に使う車輪付きのスタンドを使っていますが、自宅での方法を考えておく必要があります。
・病院で使うようなスタンドが一番便利とは思いますが、高価なのでできれば買いたくないですよね。
・そこで、自宅の鴨居(障子などの溝をつけた横木の上部)や長押(柱と柱の間の壁面に取り付ける装飾的横木)につけるのがいいと思います。
・我が家の場合では、長押しにこんな感じでぶら下げています。
6.保湿ローション
・肌が乾燥して痒くなるような場合には、保湿ローションがあると便利です。
・病院で勧められたのは、セキューラという保湿剤でベタつきがないため、このローションを塗ったあとでもテープでくっつくというのが特徴です。
・私の場合は、肌が乾燥して痒くなるので必須です。
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7.入浴用パック
・入院中には患部のこともあるので、シャワーを浴びることはできないでしょう。
・ですから、自宅に帰ったらまずシャワーを浴びたいですよね。
・そんなときに必要になるのがこの入浴パックです。
・私はこれがないために、サランラップとテープで患部を覆ってシャワーを浴びましたが、やっぱり剥がれてくるんですよね。
・とてもゆったりとシャワーを浴びるという感じにはなれませんでした。
・これは、絶対に事前に準備しておいたほうがいいですよ。
まとめ
●透析開始のタイミングは、一般的にクレアチニン8以上、または、BUN(尿素窒素)100以上。
●入院期間は10日程度で、プログラムが組まれており、練習を重ねて自分ひとりで液交換ができるようになっています。
●病院や製薬会社の支給品以外にも自分で準備しなければならない機材がいくつかありますので、退院までにしっかりと準備しておきましょう。