お盆とお彼岸の違いとは?お墓参りの意味も違うの?
2018/05/02
お盆とお彼岸は、いつも混同してしまいがちです。
お盆で墓参りに行ったと思ったら、すぐに今後は、お彼岸で墓参りに行くことになります。
なんで、同じような時期に、2度もお墓参りをする必要があるのでしょうか。
実は、ここには大きな意味の違いがあるんですね。
ここでは、お盆とお彼岸の決定的な違いをご説明しましょう。当然、墓参りの意味合いも違ってきますよね。
お盆とお彼岸の決定的な違いとは?
お盆もお彼岸も仏教に関連する行事であり、ご先祖様を供養するという意味では、一緒ですね。
しかし、この二つは、その基本的な考え方に、決定的な違いがあるんですね。
そこを知らないと大きな勘違いをしてしまいますので、ここはしっかりと押さえておきたいところです。
まず、お盆ですが、これは、なんといっても、ご先祖様の供養が目的です。
元々、お盆とは、サンスクリット語の『ウランバナ』の音写語『盂蘭盆』からきており、祖霊を迎い入れて祀る宗教行事のことなんですね。
つまり、ご先祖様の霊が、あの世から、この世に来る時期がお盆となります。
お盆では、ご先祖様を迎えるために「迎え火」を焚き、また送り出す際にも「送り火」を焚きます。
灯篭流しも送り火の一つですね。お盆の時期には各地で見られます。
一方で、お彼岸ですが、これは、ご先祖様がいる彼岸に自分たちが近づく、つまり悟りを開くための修行が目的になります。
ご先祖様はあの世(彼岸)にいますが、私たちはこの世(此岸)にいます。
この此岸と彼岸の距離が、もっとも近づくのが、春分の日と秋分の日とされています。
この日、昼と夜の長さが同じになりますから、太陽が真東から昇り真西へ沈みます。
あの世(彼岸、極楽浄土)は、西にあるとされており、この日に此岸と彼岸がもっとも近づくと考えられたんですね。
また、彼岸の本来の意味には、煩悩の脱した悟りの境地のことや、その悟りを開けるように仏道修行の期間という意味合いもあります。
その日に、普段仏道修行をしていない人たちも、西の太陽に向かって祈りを捧げ、自分達が彼岸へ近づく、つまり、悟りを開く修行をするのが本来の姿だったんですね。
お盆とお彼岸の時期の違いは?
お盆とお彼岸は時期も当然違いますね。
お盆は、一般的には8月13日から4日間です。
東京や関東の一部では7月15日頃に行われる場合もありますが、現在では月遅れ盆が一般的ですね。
なぜ、2種類あるかと言えば、本来は旧暦の7月15日頃であったため、新暦となった現代では、月遅れの盆である8月15日頃が主流でしょう。
旧暦と新暦の関係で、実際には3つの時期が存在します。
地域によっていろいろあるんですね。
旧暦の月日をそのまま、新暦に残したもの。
旧暦の7月15日が新暦では8月20日前後にあたるため。
新暦7月15日は農作業が忙しい時期であったため、月遅れのお盆としてお盆をやりやすくしたもの。
現在の主流。
一方、お彼岸は、春彼岸と秋彼岸があります。
こちらは全国的に統一された時期になっています。
春彼岸は春分の日(3月21日頃)を中日として前後3日を合わせた7日間をいいます。
秋彼岸は秋分の日(9月23日頃)を中日として前後3日を合わせて7日間をいいます。
年によって少しづつ具体的な日程は変わります。
お彼岸の時期は季節の変わり目でもあり、「暑さ寒さも彼岸まで」とよく言われますよね。
ですから、お盆が8月中旬にあり、お彼岸が9月下旬にありますので、2ヶ月連続で、お墓参りにいくことになるわけですね。
お盆とお彼岸のお墓参りの意味合いの違いは?
お盆もお彼岸もご先祖様を供養するためにお墓参りをして、お供え物を上げたり、お花を上げたりするのが一般的ですね。
ただ、お盆とお彼岸では、前に述べたように、意味合いが異なりますので、お墓参りの意味合いも異なってくるのは当然ですね。
とはいえ、どちらもご先祖様を供養するためにお墓参りをすることは変わりません。
ただ、お盆の場合には、ご先祖様をお迎えるするという気持ちでご先祖様に語りかける気持ちでお参りするのがよろしいのではないでしょうか。
一方、お彼岸の場合には、ご先祖様の前で自分自身を見つめ直し、この世にいながら彼岸に行く(悟りを開く)ような気持ちでお参りするのがよろしいのではないでしょうか。
まとめ
●お盆は、ご先祖様をあの世からこの世に迎い入れて供養する期間のこと。
●お彼岸は、自分たちが悟りを開くために修行する期間のこと。
●どちらもご先祖様やご先祖様のいらっしゃる彼岸に思いを馳せる日であることに変わりはないですが、墓参りをするときにはその意味合いを理解した上で、気持ちを切り替えていくといいでしょう。