法事パンとは?米子の不思議な風習の由来はいったいなに?
鳥取へ引越して早8ヶ月が経ちました。
私はパン屋を探すのが好きで、新しい街に引越すと、その街の美味しいパン屋を開拓していくことが楽しみのひとつでもあります。
今回も、色々なパン屋さんを探しているのですが、探す度に気になっていることがありました。
それは「法事パン承っております」という文言がお店の看板やホームページにあるのです。
昔からあるパン屋であれば、だいたいのお店が法事パンについての一文がありました。
いったいなんだろう法事パン?ということで、今回は「法事パン」がどんなものなのかを紹介したいと思います。
法事パンとは
まず、法事パンとは、法事に来ていただいた方にお供え物のお下がりといっしょに渡すパンの事です。
この法事パンの風習があるのは島根県の東部、鳥取県の西部、岡山県の北部の地域のようです。
パンは法事用のパンとして特別に作られるわけではなく、一般的なあんぱんやジャムパンなどを蓮の花がプリントされた袋に入れて渡したり、中には更に白い箱に詰めてのしをかけて渡したりもします。
最近は少しずつ減ってきているようですが、周りの友人たちに聞いたところ子どもの頃は、祖父母が法事から帰ってくるとたくさん菓子パンを貰えるから楽しみでもあったと教えてくれました。
いつから始まったのか
では、この法事パンいつからなぜ始まったのでしょうか。
私も興味があったので図書館なども調べてはみたのですが、法事パンについて記述が確認できる文献などはないようで起源ははっきりとしておりません。
ただ、なぜパンを振る舞うようになったのかは「葬式饅頭があんぱんへ変わったのではないか」という説や「もともと各家でついていたお餅を準備するのが大変な為パンへ変えたのではないか」という説、「日持ちがするようにパンに変わった」とする説など諸説あるようで、特定は難しいようでした。
中にはバレンタインデーのチョコのようにパン業界の営業戦略ではないかという説もあり更に興味がそそられました。
どこで手に入るの?
さて、では法事パンはどこで購入できるのでしょうか。
パン屋さんの店頭にはそれらしい姿は確認できませんでした。
それもそのはず、法事パンは本来まとまった数が必要なので基本的に予約注文のみなのです。
上記の地域にあるパン屋さんであれば電話をして注文すれば必要な日時に準備しておいてくれるそうです。
お店によってはあんぱんやジャムパンだけでなくメロンパンやクリームパンなど色々な種類を作ってくれるようですが、なるべく日持ちするパンが選ばれる傾向です。
ただし、最近開店され経営年数が若いお店ですと、法事パンの文化を知らない場合もあるようです。
法事パンが必要になったら老舗パン屋に問い合わせすると安心かもしれませんね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
私は初めて知った法事パンの存在、みなさんはご存知でしたか?
1度でいいので本物の法事パンを見てみたいと思いました。
ところ変われば興味深い文化がたくさんありますね。
今後も新しい土地で見たことのない文化風習にに触れることが楽しみになりました。