築地の大和寿司の全て!
2018/05/02
築地の名店、大和寿司も時期が来ると、豊洲に移転する予定です。
その前に、是非とも一度、大和寿司に行っておきたいものです。
ここでは、初めて大和寿司に行く方のために、大和寿司の全てをご紹介しましょう。
目次
大和寿司へのアクセス、並び方、並ぶ時間は?
大和寿司へのアクセス
大和寿司は築地市場の場内の魚がし横町にあります。
市場内で唯一、一般の方が入れるのが、ここ魚がし横町だけなんです。
さて、最寄り駅は以下のとおりです。電車でくるのが便利ですね。
・東京メトロ日比谷線「築地駅」1番出口より徒歩8分程度
・東京メトロ日比谷線、都営浅草線「東銀座駅」5番、6番出口より徒歩15分程度
車で来る場合は、築地川第一駐車場を使うのが便利ですが、早い時間から満車の場合もありますから、やっぱり電車が便利ですね。
なお、築地の寿司屋さんは基本的に、予約はできないので、当日に行って、並ぶしかありません。
気合を入れて並びましょう。
大和寿司の営業時間
営業時間は5時半~13時30分です。
朝食か、昼食か、というところです。夕食は無理ですね。
ただ、朝からビールも日本酒もOKです。
早朝から日本酒もたまにはいいかもしれませんが、常識的な自分としては、やっぱり、ちょっと異常な世界です。
大和寿司の並び方
当然、店の前に並ぶことになります。
ただ、大和寿司は、魚がし横町の真ん中になるので、並ぶ場所が限定されます。
5例以上は並べないので、最後尾の人はウロウロしている感じになっちゃいますね。
外人の観光客が並んでいる人の7割~9割を占めています。
どうも外人が持っているガイドブックには銀座の名店の寿司を1/10の値段で食べれる店として紹介されているようです。
だから、みんな必死でやってくるんですね。
多分、生まれて初めて寿司を食べる人もいるだろうに、こんなところに最初に来て、味がわかるのでしょうか?
比較できるものがないから、こんなもんなのね、って感じになるんじゃないかな?と心配になります。
気になるのは、日本人が少ないことです。
日本人こそ、本物の江戸前寿司を食べるべきでしょうね。
普段は100円の回転寿司でいいんですけど、たまには、一流品を食べたいものですよね。
でも、日本人も例えばフランスに行って、有名レストランのフレンチが1/10の値段で食べれると聞けば、やっぱりそこに行くでしょうね。
そう考えると、外人さんが滅多に来れない日本で最高の寿司を格安で食べたいと思うのはよくわかりますよね。
ちょっと心配になったのは、外人さんが、日本人はこんな朝から酒を飲んで寿司を食っているのか?
という間違ったカルチャーを植え付けてしまいそうなことです・・・・。
大和寿司の並ぶ時間
大和寿司は親子で別の店を営業しているので、同じ大和寿司ですが、入り口が2つあります。
この2軒分あることに加えて、江戸前寿司らしくテンポよくどんどん握ってくるスタイルの根っから江戸前寿司なので、全体に回転は早めです。
大まかな目安として、待っている人の人数から待ち時間を想定するには、
=自分より前にいる人数×0.02 時間
これは、カウンター席は12席×2軒=24席となり、一人あたりの滞在時間が30分と想定しています。
50人並んでいても、1時間程で店内に入れる計算です。
まあ、当たらずしも遠からずというところでしょうか。
混雑のピークは、土曜の12時頃。狙い目は、平日の朝が良さそうです。
大和寿司の店構え、店内の様子、メニューは?
大和寿司の店構え
この魚がし横町の店は、どこも同じような店構えです。
小さな間口の曇りガラスの扉に暖簾がかかっていて、その前に人がずらっと並んでいるって感じですね。
場内のお店はどこも狭いのですが、大和寿司は親子で隣同士でやっているので、2軒分あります。
つまり、普通の店の2倍の広さあります。
だからといって、ゆったり座れるわけではなく、カウンターに座れば、後ろやっと通れるぐらいの狭さは変わらない。
ただ、それが2軒分あるだけです。
2店舗分の場所がありますが、入り口から別々のため、ほぼ別の店舗ですね。
どっちかが大将の店で、どっちかが若大将の店です。さて、どっちかな?
大和寿司の店内の様子
場内のどこも同じですが、店舗はカウンターのみで、座ると後ろがギリギリになるぐらいの狭さです。
カウンターの前には、板前さんとネタのガラスケースがあるというオーソドックスな構図です。
カウンターには3人の職人さんがいて、サービス精神も旺盛でいろいろと話かけてくれたり、教えてくれたりで、トークも楽しいですね。
まず、店に入ると、「おまかせでいいよね?飲み物はビール?日本酒?お茶?」ってな感じで、聞いてくるので、おまかせと飲み物を頼みます。
おまかせ以外を頼む人は滅多にいないでしょう。
そして、おしぼりと熱いお茶が運ばれ、次々と寿司が握られてきます。
ポンポンと調子よく出てくるので、サッサと食べる感じで、実際に、お店にいるのは30分ぐらいでしょうか。
店内では、写真撮影可ですから、外人さんはバシバシ撮っています。
といいながら、日本人も撮っています。
築地のすし屋全般に言えますが狭くて、長居できる雰囲気では無いです。
本来なら、酒でもちびちびやりながら、じっくりとゆったりと味わいたいものですが、それをするのは銀座のお店です。
ここは築地の朝です。そこは、勘違いしちゃいけませんね。
お金があるなら、銀座の有名寿司店にいったほうが絶対にゆっくりできるし、デートにも向いています。
ここは、銀座の有名店で食べれば、少なくとも3~4倍はするであろう江戸前寿司を、安く食べるところですね。
とはいっても、約4,000円の朝食が安いと言えるか?は横に置いておきましょう。
大和寿司のメニュー
大和寿司のメニューは、ほとんどの人が「おまかせセット」を頼みます。
それ以外はないと思った方がいいでしょう。
一応、お好みもありますが、おまかせセットを食べたあとに幾つか追加する感じでが多いようです。
おまかせセットは、握り7貫+巻物1本+お味噌汁で、3,780円です。
築地ならではの独特の雰囲気の中で大和寿司のショーが始まる感じです。
板前さんも気さくで気取りのない雰囲気もいいですね。
気さくな店ですから、あまり気を使う必要もないのですが、一応こちらで寿司屋のマナーを頭の片隅に入れておいたほうがいいかもしれません。
大和寿司の握りの出てくる順番
ネタの順番は人によって多少異なりますし、ネタも多少異なるのは当然のことですので、まあ、ここに上げたのは一つの例として参考程度にお考えください。
標準的と思われるネタの順番は以下の通りです。
2. 車海老 (後で頭を焼いてくれる、これがまたいける)
3. うに
4. 味噌汁
5. 鉄火巻き・いくら巻き
6. たまご
7. イカ
8. 中トロ
9. カンパチ
10. 穴子
11. 最後はお好みで一つなんでもOK
一番初めに大トロっていうのは、明らかにガツン!と一発を狙っていますね。
脂がやさしく口の中でとろけていく具合は、この上ない至福の瞬間です。
江戸前寿司の看板でしょう。
普通なら、白物から始めるでしょうけど、ここは意外にも裏をかかれます。
ただ、これもありでしょう。驚きの大トロです。
シャリは小さめですが、いい感じにお米が立っています。シャリも流石です。
握りは、ゆるい握りで、手で食べないと崩れてしまうほどの柔らかさです。
ウニは特上品で、山もり載せられて出てきます。
一口、口に入れるとトロリと口で溶け、濃厚で甘みのある塩の香りとウニの味に驚きと新鮮さが感じられます。特上品ですね。
巻物の鉄火巻きのマグロが柔らかくて驚きます。
珍しいイクラの巻物もいいものですね。
普段の食べている巻物とは一線を画すものです。
中トロは、中トロとは思えないように脂が乗っています。
普通の店なら大トロで通りそうです。
最後の穴子も狙ってますね。
初めの大トロで掴んでおいて、最後の穴子で締める、って感じでしょうか。
これぞ江戸前寿司という感じの柔らかい特上の穴子です。
握りが次々と矢継ぎ早に出てくるのは、このお店のスタイルなんですね。
あまり落ち着いた雰囲気で食べる事はできないので、よほど寿司好きな相手とでないとデートには不向きかもしれません。
さて、お会計ですが、お決まりのおまかせコースと追加ネタ5貫程度と瓶ビール1本で、8,000円強という感じでしょう。
銀座の高級寿司店達では、同じものを注文すると、3-4倍の値段はするでしょうから、そこと比較すると確かに格安です。
勘違いしないでね!大和寿司は江戸前寿司です!
私は函館出身なので、握り寿司といえば、小皿に醤油をいれて、そこにネタを少しだけつけて食べるのが普通でした。
エビといえば、生の甘エビですので、東京に来てエビといえば茹でたエビが出てきたのにはビックリしたものです。
函館は海も近くて新鮮な魚をすぐに食べることができたので、とにかく新鮮な魚をそのまま食べるのが普通です。
活イカは透き通っていて、コリコリです。それはなんとも素晴らしく美味しい。
でも、江戸前寿司ってちょっと違います。
江戸前寿司は、江戸前の仕事をするといいますが、この江戸前の仕事とは、加熱して「煮る」、酢や塩で「締める」、マグロのづけのようにたれに「漬け込む」といった仕事を指します。
酢締めは、コハダやサバなどの青魚特有の生臭味を取るため、また穴子やタコなどはそれぞれに合う味付けで煮るといった仕事をするんですね。
このような仕事をするようになったのは、江戸時代には冷蔵技術も交通手段も発達していなかったため、いかに魚介類を腐らせずに握り寿司を作るかという問題を解決するためだったのです。
つまり、元々は、この保存の問題を解決するための仕事が「江戸前の仕事」ということです。
それから、時代と共に江戸前寿司は進化していき、ひとつひとつの寿司に職人の「ひと手間」が加わるようになってきました。
酢でしめてあったり、ヅケにしてあったり、タレがさっと塗ってあったり…とさまざまですが、寿司職人のセンスと技が表現しやすく、お店によって個性も出しやすいといった特徴があります。
お客さんはほとんどの場合、手元のお醤油を使うことなく、職人さんが出してくれたそのままの状態で口へ運びます。
また、コダワリのあるネタは断然マグロ、という店が江戸前寿司ですね。
大和寿司もトロにこだわりを感じますよね。
だから、函館のイカは透明なのに、築地の寿司屋のイカは真っ白で生きが悪そうだというのは間違いで、それは仕事をしているからなんですね。
そこには職人さんの工夫と心意気がつまった、違った美味しさがあるんです。
江戸前寿司とは、もともとは、サッと握って、サッとつまんで、サッと席を立つという、江戸っ子のファストフードのお店なのです。
江戸前寿司はネタにタレが塗ってあるので、お醤油が無くてもそのまま手でパクっと食べられるのも魅力の1つです。
大和寿司のテンポの早い握り方は、いわゆる伝統的な江戸前寿司の握り方といえるでしょう。
まとめ
●大和寿司は時期が来ると豊洲に移転予定なので、その前に一度は行きたいですね
●外人さんばかりが目立ちますが、日本人も本物の寿司を食べるべきですよね
●大和寿司は江戸前寿司ですので、江戸前寿司の真髄を堪能しましょう