軽自動車は貧乏臭い?貧乏人の乗り物?どんな人が乗るんだろう?
2018/05/03
軽自動車に対する印象は、人によって大きく異なるようですね。
私も自分が軽自動車に乗る前までは、軽自動車のことを正直なところ「貧乏くさい」と思っていました。
しかし、実際に自分で乗ってみると、外見よりも内部はとても広いし、維持費も安くて、とても快適で合理的な乗り物だと思えるようになりました。
ここでは、軽自動車のことを、なぜ「貧乏臭い」と思うのか?
軽自動車は、本当に貧乏人の乗り物なのか?
軽自動車に乗る人って一体どんな人なのか?
といった素朴な疑問について考えてみたいと思います。
もしかしたら、あなたの軽自動車への印象や思いが、少しは変わるかもしれませんよ。
軽自動車が「貧乏くさい」と感じる人がいるのは、なぜか?
まず、軽自動車というと「貧乏くさい」と感じる方が、まだまだ大勢いますね。
確かに私もちょっと前まではそう感じていました。
何故なんでしょうか?
それには、やっぱり自動車に対する思い入れが関係あると思います。
少し前まで自動車というのは、やっぱりステータスだったわけですよね。
自動車は高価なものですし、そうゆう高価なものを所有することが、その人のステータスを表していました。
カローラに乗っているのは平社員のサラリーマンで、クラウンに乗っているのは社長さんというイメージだったわけです。
「車=その人の社会のステータス」という図式が成り立っていましたし、確かに、それが当たっていたように思います。
お金持ちは必ず大きな車に乗らなければいけない感じでしたし、大きな車に乗ることで俺は偉いんだ的な気分だったと思います。
現代でも車をステータスと感じている人も、まだ大勢いますよね。
中国なんかでは、まさにそんな風潮が感じられます。
それがいい悪いではなくて、そうゆう感覚を持っているかどうかという文化や時代の問題なのかもしれませんね。
一方で、現実の日本の自動車業界を見るとき、現在の日本では、自動車全体の約4割が軽自動車になってきているんです。
この事実は、日本国民の4割は貧乏人と考えるべきなのでしょうか。
やっぱり、そう考えるよりも、車が既にステータスを示す指標では無くなったことを意味していると考えた方が自然ですよね。
つまり、「車=その人の社会のステータス」という面は、たしかに一部ではまだ残っているものの、日本人の約4割の人は、「車=単なる移動の手段、道具」と捉えるようになったのではないでしょうか。
私もそうです。
一人で通勤するのに車を使っている私にとって、車は単なる「道具」でしかありません。
道具ですから、ちゃんと動いてくれればいいわけで、できればそんな道具にはコストをあまりかけたくないと、思うわけです。
そんなお金があるなら、旅行とか映画とか、もっと楽しいことに使いたいわけですね。
これは、例えば、冷蔵庫や洗濯機やテレビと同じで、機能さえしっかりしていれば、別になんだっていいわけじゃないですか。
今時、冷蔵庫はこのメーカのこの型番じゃないと、冷えないからね・・というようなことは言いませんよね。
車だって、動いて、止まって、安全な乗り物なら、それいでいいわけですよ。
ただ、冷蔵庫や洗濯機よりは、やはり嗜好的な部分が車にあるのは否めないですよね。
それは、人の目に触れるからです。
あの人、あの車に乗っているって、みんなに見られるからです。
誰でも人前ではちょっと見栄張りたいですから、そうゆう人は小さな車だと恥ずかしいと思うかもしれませんね。
また、車そのものを趣味としている人もいますよね。
そうゆう人は、大体スポーツタイプの車に乗る人が多くて、加速感が好きだったり、硬い足回りが好きだったり、車高の低い車が好きだったりします。
やっぱり、ポルシェやフェラーリがいいとか思うわけですね。
冷蔵庫は東芝や日立がいいとか言う人はごく少数派ですよね。
軽自動車って、どっちかというと冷蔵庫に似ているわけです。
極端な話、初期投資も維持費も安くて、そこそこ使えればそれでいいんですね。
ただ、たとえばコペンやS660のようなスペシャルな軽自動車はこだわりの塊ですから、全く次元が違います。
スポーツカーは、完全に趣味のものです。
バイクと同じで、実用性無視の趣味で乗るものですから、ここではちょっと省きますね。
ちょっと話がそれましたが、以上、まとめると、
軽自動車が貧乏臭いと感じる人は、一言で言うと、「車のグレードに自分のステータスを重ねている人」と言えるのではないでしょうか。
それがいい悪いという問題ではなく、そうゆう感性や常識を持っている人だということです。
さて、ところで、あなたは、軽自動車を貧乏くさいと感じますか?
軽自動車は貧乏人の乗り物なのだろうか?
軽自動車にも、今や、いろんな種類がありますね。
昔からある背の低いタイプ(アルトやミラなど)は、古典的なタイプで、価格も安いです。
一方で、車の車内も狭くて無理やりじゃないと大人4人乗るのはちょっと厳しい感じのものです。
昔はこのタイプが多かったので、「軽自動車=安い=狭い」という印象を今でも持っている人が多いですね。
今でもこのタイプは車体価格が80万円代からあります。
ところが、1993年にスズキからワゴンRが出てから、軽自動車は大きく変わっていきます。
従来よりも背が高くて、アップライトな座席位置にすることで、狭い空間を縦方向に拡大することで、充分な広さを確保したんですね。
このタイプから、内部の広い軽自動車の世界が広がって来たと思います。
今ではこのタイプが軽自動車の主流と言っていいでしょうね。
いわゆる軽のセミトールなワゴン(ワゴンR、ムーヴ、ekワゴン等)です。
このクラスが居住性と走りのバランスが1番いいように個人的には思っています。
車体価格はグレードによって色々ですが、大体100万円~150万円位になりました。
その後、さらに車内を広くするために、もっと背の高いタイプも出現してきましたね。
軽のトールワゴン(タント、N-Box等)です。
確かに内部は広いですが、その分背もより高くなり、走りのバランスは多少崩れた感があります。
また、トールワゴンは高価なものが多く、150万円~200万円のものも出てきて、このあたりから普通乗用車のコンパクトカーよりも高いくらいになってきてしまいました。
ちなみに、最低グレードなら、ヴィッツなら120万円~、カローラでも180万円~、ってな感じですから、軽自動車とコンパクトカーのコスト差があまりないことがわかりますね。
それでも、維持費が安いという理由から、コンパクトカーではなく、軽自動車を選ぶ人も増えているわけです。
つまり、今時の軽自動車は、そもそも、その値段が、既にコンパクトカー並の値段するわけですから、軽自動車を買う人は貧乏人と決めつけることもできないと思いますね。
ところで、どうして軽自動車ってこんなに割高なのでしょうか。
最もコストのかかっているエンジンが660CCというバイク並みのエンジンなのに、不思議ですよね。
それは、ずばり、軽自動車は殆ど日本国内でしか売れないからです。
他のコンパクトカーは世界で売れるわけですが、軽自動車は日本にしかない規格で作られているため、加速性能面や安全面などから輸出できないのが大きい理由と言われていますね。
まあ、完全にガラパゴス化した日本に特化した特殊な車なわけです。
日本という国の税制とも深く関連して、安い税金で車に乗れるというメリットがあるがゆえの存在なわけで、もし、税制が大きく変わってしまうと、わざわざ軽自動車を買おうという人は減るでしょうね。
軽自動車に乗る最大のメリットは維持費の安さなんですからね。
軽自動車に乗る人ってどんな人?
軽自動車には以下のような厳しい制約条件があります。
1)エンジン排気量: 660cc以下
2)ボディサイズ : 全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下
この寸法よりもすこしでもオーバーすれば、普通乗用車になってしまうわけです。
また、乗車定員は4名と決められています。
軽自動車のエンジン排気量の制約とボディサイズの制約から、いくつかデメリットがあります。
1)安全性
確かに安全性では軽自動車もかなり高まったとは言え、まだ普通車には負けちゃいますよね。
とにかく、車内空間を広くとるためには、何かあった時のクラッシャブルゾーンが少なくせざるを得ないですし、ドアも薄いですよね。
2)乗り心地・走行安定性
乗り心地も短いホイールベースで小さなタイヤですから、大型車のゆったりした乗り心地には、やっぱり負けちゃいますね。
また、背の高いタイプが多いので、横風に弱く、高速での走行安定性という意味では若干の不安が残ります。
3)荷物の積載性
車内の空間は広くなり特に後部座席の広さは、驚くものがありますが、その犠牲になるのは、積載性ですね。
後ろのトランクスペースは小さくなってしまいます。
ただ、最近の軽では後ろの座席をスライドできるタイプが多いため、荷物を載せるときは、シートを前に出せば、大きなトランクルームが出現します。
この場合、後部座席は狭くなっちゃいますけどね。
一方、軽自動車の長所も沢山あります。特に、コスト面でのメリットが大きいですね。
1)燃費
最近の軽自動車の燃費は、30㎞/Lぐらいですので、随分向上しました。
普通に乗るなら20km/Lぐらいまでは、簡単に出すことができるでしょう。
ただ、660CCというエンジン制約のためにかえって、1000CCクラスのコンパクトカーよりも燃費が悪くなるケースもあります。
またハイブリッド車なら、軽自動車よりもずっと燃費はいいですね。
2)自動車税
毎年、払う必要のある自動車税が軽自動車の場合は、10,800円です。
普通乗用車は排気量によって異なりますが、総排気量1リットル以下の一番小さなコンパクトカーでも、29,500円ですので、約2万円の差額が発生するわけですね。
これは大きいですね、10年で20万円違ってきますからね。
3)車検代
車検時に支払う重量税・自賠責も含めて軽自動車の場合は、合計で6万円~8万円程度でしょう。
一方、コンパクトカーなら、合計10万~12万円程度になるでしょうから、ここでも4万円程度の差額は出そうですね。
これも2年に一度ですが、10年で4回の車検を受けることになるので、16万円ぐらい違ってきますから、やっぱり大きいですね。
4)メンテや修理代
軽自動車の場合、タイヤも細くて小さいので安いですし、オイルの量も少なくて済みます。
ブレーキパッドやワイパーなども、全体的に部品代も安いです。
メンテや修理代を考えると、一般に機械物はシンプルなものが1番いいですね。
複雑になれば部品点数が増えて、故障も増えますからね。
特に、複雑なハイブリッドカーは部品数が異常に多いから、ボロボロになって来ると色々なところが壊れる危険性がありますし、修理費も当然高いでしょう。
ハイブリッドの場合は、特に駆動用の高価なバッテリーなど、ハイブリッド特有の部品の故障などで高い部品代や修理代が予想できますよね。
5)高速料金
高速料金は、二輪車と同じ扱いですから、普通車の2割程度安いですよね。(首都高などは除く)
以上のような軽自動車の特徴を踏まえて上で、主題の「軽自動車に乗る人」とは、こんな感じになるのではないでしょうか。
・自動車にこだわりがなく、移動のための道具と考えている
・自動車の維持費はできるだけ安くしたい
・加速性能や乗り心地はあまり気にしないし、いわゆるスポーツ走行はしない
・近場の送り迎えや買い物が多い
・高速道路はたまにしか乗らない
・長距離走行もたまにしか乗らない
まとめ
●軽自動車を貧乏くさいと思う人は、車とその人のステータスを重ねて見ている人。
●軽自動車の車両価格は、今やコンパクトカーとあまり変わらないので、軽自動車を買う人が貧乏人というわけではない。
●軽自動車に乗る人は、車を移動のための道具と考え、その道具にはコストをできるだけかけないよういしたいと考えている。
●軽自動車は、都会のちょい乗りには最適な乗り物。長距離をガンガン走るグランドツアラーではない。